ヨコハマ夜景 | Yokohama Night View

FIND ーみなとみらいをあるくー

みなとみらいの夜が輝き出すまで
ここで一日を過ごしてみてほしい
みなと文化やアート、あそび体験、ショッピングから食事まで
特別な時間、きっとみつかる

「みなとみらいみつけた」


ドックヤードガーデン (国指定重要文化財)
商船の建造や修理をした日本最古の商船用石造りドックがここに現存する。



まちのそこらじゅうで目にするベンチや釣り人。ゆったりとした街の時間をつくっている。



横浜市開港記念館(国指定重要文化財)
ペリーが来航して、米英露蘭仏との通商条約が締結した後に産業を支えた生糸。日本のシルクロードはここから始まった。



汽車道
桜木町(旧横浜駅)から横浜赤レンガ倉庫へと続く遊歩道はかつての貨物線路の跡。明治時代にアメリカやイギリスによって制作されたトラス橋が残る。



馬車道駅に鳴り響くピアノの音色に、先を急ぐビジネスマンたちも束の間の観客となる。そんな或る一日の「名もなきピアニストたちの物語」

楽譜を自ら持参し、少し遠慮がちに椅子に腰掛けた女性。横浜生まれ育ちの8○歳。生涯学習で学んだピアノの発表会を控えているらしく、ここに来るのは度胸付け、だという。主婦、介護者など数々の役目を終えて、時代を物語るかのようなシャンソンの代表曲『枯葉』を弾く。その凛々しくも華奢な音色と背中に、そっと手をおきたくなる。

楽譜もコードも読めない、その代わりに耳ですべての音を聴きとり、どんな曲も独自にアレンジしてしまうという男性、3○歳。5歳から習い始めたピアノに飽きて、学生時代はドラマーに。型にはまらないのは、選曲ジャンルも同様『夢見るシャンソン人形』『モルダウ』『名探偵コナン メインテーマ』。魂の叫びのような音に、駅壁の煉瓦がバラバラと崩れ落ちそうだ。

マダムと呼ぶに相応しいその女性は、子どもたちにもっと音楽を楽しんもらいたいと願うピアノの先生。年齢を尋ねるのも無粋と感じさせるその貫禄は、CA(キャビンアテンダント)の経歴によるものか。『いそしぎ/The Sandpiper』『ひまわり/I Girasoli』『慕情』ロマンス漂う映画音楽を世界各地の名だたる駅やホテルで弾いたという。そこにシネマ女優が現れたようだ。

神戸からやってきたという男性4○歳。友人との会食までの時間つぶしに、ショパン『バラード第1番 2番』を弾く。以前は横浜勤務であったが、最近はもっぱら地元神戸の駅ピアノに出没しているらしい。ピアノが弾ける日本人の多さや、人の年齢や外見からは想像もつかない選曲に驚くという。名前も連絡先も知らぬ者同士の「こういう形でしかできない出逢い」が駅ピアノの魅力らしい。もはや奏者を超えた伝道師のようだ。

音がふたつ、よっつと重なる。連弾している親子は男の子、6歳。お母さんは3○歳。絵画的なその光景は、それだけで胸を打つものがある。男の子は『塔の鐘』を弾き終えると、飽きてしまった様子。きけば、どうもピアノを続ける気はないらしい。代わりにピアノ歴20年のお母さんがドビュッシーの『アラベスク』を弾く。子どもにピアノを習わせた理由は、「好きなことを増やしてあげたい、何かに行き詰まったときのひとつの選択肢となるように」らしい。やさしい音色だ。

学生さんですか?と伺えば、3○歳の会社員ですとのこと、失礼。空気を触るかのように弾き始めたと思えば、突然の速弾きに驚くショパン『木枯らしのエチュード』。4歳から始めたピアノを中学2年でやめてしまうが、2007年『のだめカンタービレ』という漫画で、主人公のだめが弾くショパン『エチュード第4番 Op.10-4』で再燃。ショパンエチュード集に魅せられて現在に至る。先のピアノに退屈した男の子が鍵盤に覆いかぶさるように覗き込む。夢が夢を繋いだようだ。

一向に鍵盤に触れない、4○歳女性。誰かの音にのせて、そっと想いを口にしてくれた。幼い頃にピアノはやめてしまったという。「子どもの頃は練習が辛くて、いつかこんなふうに弾けるなんてわからなかった」現在はOLとして働き、YouTubeでストリートピアノをみるのが楽しみらしい。「素人奏者だからこそ身近に感じる。今なら自分も弾けるかもしれない」と、憧れの眼差しでピアノを見つめるその姿は、いつかの自分と重なるようだ。

まさかの、このピアノを置いた人物に遭遇する。「もっと駅ピアノの数が増えれば、自信のない人にも弾いてもらうことができるはず」週に一度、雑巾を片手にやってくるストーリーテラーは、人当たりのよい街づくりのおじさんだった。



みなとみらいを歩けば、たくさんのパブリックアートに出逢う。みなとみらい21 街づくり基本協定で、建築物を新たに建てる際はアート作品を設置することが定められおり、60点を超える作品が街中に点在する。



横浜美術館
年間を通じ約1万2千点の所蔵品からテーマごとに展示を行うコレクション展、多彩な企画展など、国内でも有数の規模を誇る美術館。今年開館30周年を迎えた。
[TEL]045-221-0300