mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

2016.08.31

「隣花苑」でいただく、季節の味わい

旬の食材には、うつろいゆく季節と身体のバランスを整えてくれる作用があるそうです。
例えば、秋の味覚には、栗や柿、ぶどうといった渋みの強い食材がありますが、
この渋みの成分タンニンは、夏の疲れた身体を癒し、冬を迎える身体づくりを補ってくれます。

七月下旬の朝、三渓園の蓮の花を観に出掛けたのちに、隣花苑でお食事しました。
横浜、三渓園のほど近くにある隣花苑は、旬の食材を堪能できる日本料理店です。
お店は、足利時代の古民家で、木々に囲まれた庭からは心地よい風が入り、クーラーがなくても涼しく過ごすことができました。
うちわや風鈴、風情ある蚊取り線香が目にも涼しく、少しでも涼を感じる昔からの工夫ですね。

食事のあと、女将さんから、九月は三渓園の蓮池で採れた蓮の実でつくる「蓮華飯」の話を伺い、日を改め再訪問することにしました。

三渓園は、明治生まれの実業家であった原三渓によってつくられた日本庭園です。茶人としても高名であった三渓は、蓮の花の季節になると、決まって朝茶事を催していたそうです。
三渓は、晩年、最愛の息子を亡くする不幸にあったのですが、蓮の季節に、息子の友人を招いて催した茶事で供したのが、「蓮華飯(れんげはん)」でした。

女将さんによれば、隣花苑は、蓮の実が採れる八月の間夏季休業にし、採った蓮の実を仕込みます。
青いうちに固い皮を割り、緑の皮を剥き、さらに二枚ある薄皮を丁寧に剥き、出汁で下味をつけます。
大変手間の掛かる作業だそうです。

主庭の見えるお部屋で、頼んでおいたお昼のみの三渓コース(3,500円)をいただきました。

先付け
上品な白和えは、和えずに、豆腐のソースが添えられている。
前菜
ごま豆腐
お椀は、冬瓜とつみれ。
こちらが名物の三渓そば。
原三渓が考案した三渓そばは、中華風の味付けで汁気のないそば。
その昔、まだお肉が貴重だった時代に、お肉を召し上がっていただきたいという想いと、茶事で出すときに、着物に汁が飛ばないようにという気遣い。

こちらが蓮華飯(浄土飯)。飯椀に白飯をよそい、蓮の実と刻んだ大葉。
実を煮た、出汁のよく利いた汁をかけたお茶漬け風の逸品。

蓮の実は、香りはなく、ほのかな苦みがある淡白な味。
表現するには難しいのですが、例えるならば、香りのない銀杏、慈姑(くわい)に似ています。
沢山は採れない貴重な蓮の実を、手間暇かけ丁寧に調理し供される蓮華飯は、ここ「隣花苑」で一時にだけいただける貴重な季節の味わいでした。

SPOT INFO

隣花苑

原三渓ゆかりの料理を足利時代の田舎家でお楽しみ頂けます。

  • ショップ・スポット名
    隣花苑
  • 住所
    神奈川県横浜市中区本牧三之谷52-1
  • 電話
    045-621-0318
  • 営業時間
    12:00〜20:00
  • 予約
  • サービス料・チャージ
    有(10%)
  • 貸切
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