ぐるぐるライン、これどうなってるの? その答えは…!!!!
ヨコハマ・アートナビ2015-2016年冬号の表紙を飾っているモノクロームの写真。渦巻き状のホワイトラインはつながっているようで、つながっていない?! センターで仕切られた左右対称写真のようで、なんだかちょっと違う?! 読者の“目の錯覚”を利用したようなこの写真……一体どんな場所で撮影したのか、その答えをお教えしましょう。
この写真で、もうお分かりの方もいらっしゃるかもしれまんせんね。答えは…みなとみらい線日本大通り駅から徒歩で約2分、大さん橋と山下公園の通りが交差するところにある「開港広場」です!
公園全体はこんな感じ。
横浜開港資料館の前に位置します。
通りの奥に少しだけ見えているのが大さん橋です。この大さん橋付近は、日本の開港の地であり、横浜の都心地区として発展した現在も外国船の入港など横浜の玄関として市民に親しまれている場所。「港町・ヨコハマ」の歴史や国際性のシンボルとして作られたこの広場は、1859年の横浜開港にちなんで「開港広場」と名付けられました。
この「開港広場」付近は、日米和親条約締結の地としても有名で、広場内には記念碑が設けられています。
さて、そんな歴史的な場所で撮影を行った今回。あの表紙はどうやって作られたのでしょうか?
広場内を歩きまわり、被写体になるベストショットを探すフォトグラファーさんとデザイナーさん。
そばで話を聞いていると…どうやらこの四角柱の鏡のモニュメントを仕掛けとして使うことに決めたみたいです!
まずは、表紙の縦サイズに合わせて、広場全体を引いた位置から眺めてみましょう。
ぐるぐるのホワイトラインの先には、円を描くように鏡のモニュメントが等間隔で連続してたっていますね。その鏡のモニュメントにカメラがもっと寄ってみると……
こうやって反対側の広場が映り込むのです! このように鏡のモニュメントのひとつを使って、今回の表紙のビジュアルが生まれました!!!
そして、この広場に来たら、もうひとつチェックすべきものがあります。それがこちら!
明治10年代に築造されたレンガ造りのマンホールと下水管が、ここに保存されています。この広場の付近では、明治14年から20年にかけて下水道改造工事が実施され、卵形レンガ管と陶管の下水道が整備されました。その下水幹線7本とマンホール37カ所はレンガ造りで、それらは日本人が設計した日本で最初の近代下水道といわれているそうです。
このマンホールは、明治15年頃に築造されたもの。なんと昭和57年にこの公園の整備中に発見され、当時のままの状態で保存されています。日本人として、一見の価値ありです!
これからのシーズンはちょっと寒いですが、お天気のよい日に山下公園や大さん橋あたりからブラブラ歩きながら立ち寄ってみてはいかがでしょう。そしてマイ・カメラで鏡のモニュメントを仕掛けに、不思議な写真づくりに挑戦してみては?