『クロックムッシュ』 ~カフェの陽だまりで~
『ものがたりのあるレシピ。』3月
春分も過ぎ日照も増えるころになるとパリのカフェはテラス席から埋まるようになります。ダウンジャケットを着てテラスでカフェをすする姿を見ると、中で飲めば…と思ってしまうのですが、長く暗いパリの冬を思うとその気持ちもわからなくはありません。カフェの定番、クロックムッシュのレシピをお届けしましょう。本格レシピのクロックムッシュです。お花見やピクニックのお供に是非!
<材料> 1人分
薄めの食パン 2枚
半量まで煮詰めた生クリーム 大さじ2程度
グリュイエールチーズすりおろし 大さじ3程度 …またはとろけるタイプのチーズ
ハム 1枚
ナツメグ 少々
<レシピ>
1.生クリームは半量に煮詰める。チーズはすりおろす。
2.食パン2枚を並べ、共に片面に生クリームを塗りチーズをのせる。1枚にハムをのせる。
3.ハムを挟むように2枚を重ねて、表面にナツメグをふる。
4.トースターでチーズが溶けて焼き色が付くまで焼く。
3月のコラムはカフェのものがたり
『 カフェと暮らす 』
↑ 今年のお正月、パリのローカルカフェでの朝食
フランスで暮らし始めた時、カフェとはなんて便利なものだろう!とすぐに気づきました。
朝のカフェ。通学の道すがらにのぞくと、どのカフェにも必ず常連さんがいます。カウンターで馴染みの顔とおしゃべりしながら仕事の前の一杯、です。
学校でのランチが済むと、ほぼ毎日食事のしめにコーヒーを飲みにカフェに足を運ぶようになりました。カウンターで立ったまま、カフェと言って出てくるのは小さなエスプレッソです。当時の値段で1杯100円程度。学生の私にも毎日通えるお値段は嬉しいものでした。
放課後には友人とおしゃべりしたり宿題をしたり。
100円程度のカフェ1杯で長居をしても嫌な顔をされた記憶はありません。地下には必ずトイレと電話があって、(携帯電話がなかった初めの留学時にはとくに!)これはとてもありがたい存在でした。お腹がすけばサンドウィッチやクロックムッシュといったカフェの定番メニューを、お供にアルコール類もそろっています。タバコや宝くじが買えるのもカフェです。
朝から晩まで、さまざまなシーンを提供してくれるカフェ。フランス人にとってはなくてなならない存在なのです。旅行で滞在する今でも、そのありがたい存在は変わりません。朝食に、観光や買い物の休憩に、小腹がすいたり寝る前に少し飲みたいときも、子供が突然トイレ!と言った時も(笑)。皆さんもフランスに滞在する機会がありましたら、是非カフェを上手に使ってみてください。