『イチジクのブランデーショコラケーキ』 大人のチョコレート
『ものがたりのあるレシピ。』1月
フランス人は老若男女問わずチョコレートが大好き。そのせいか甘み控えめで薫り高いブラックチョコレートが主流の様子です。日本のヴァレンタインは若者主流のイベントのようですが、この魅力的なお菓子を大人も楽しまなくては損というもの。今年はボール一つのレシピで大人のチョコレートを楽しんではいかがでしょうか。
<材料> 12cmのパウンド型2個または18㎝のパウンド型1個分
ドライイチジク 30g
ブランデー 大さじ1+1
ブラックチョコレート 150g
バター 70g
グラニュー糖 40g
塩 一つまみ
卵 2個
薄力粉 30g
ココアパウダー 適量
<レシピ>
- ドライイチジクは刻んでブランデー大さじ1に一晩漬ける。
- ボールに刻んだチョコレートとバターを入れて湯銭にかけ溶かす。熱いうちにグラニュー糖と塩を加えて溶けるまでよく混ぜる。ブランデー大さじ1も混ぜる。
3.溶いた卵を加えて混ぜ、振るった薄力粉と1を加えてさっと混ぜる。
4.クッキングシートを敷き込んだ型に流し込み、170度のオーブンで15分(12cm 型)25分(18㎝型)焼く。粗熱がとれたら型から外しココアパウダーをふりかける。
1月のコラムはショコラティエのものがたり
~ ショコラティエとは ~
↑南仏の小さな街のショコラティエにて
ショコラティエとはフランス語でチョコレート屋さんのこと。チョコレート職人もショコラティエ、女性はショコラティエールと呼ばれます。
興味深いのはチョコレート屋さんやその職人がお菓子屋さんと区別された単語で呼ばれているところです。菓子職人(パティシエ)とチョコレート職人(ショコラティエ)は別物であり、フランスにおいてチョコレートとは、お菓子屋さんの一角に置かれる沢山あるお菓子の中の一つではなく、立派に一見の店を構えるだけの存在であることに気づかされます。
初めてフランスでお知人のお宅にお招きを受けた時に、下宿先のマダムはチョコレートか花を持っていくとよい、と教えてくれました。日本では、手土産を探すときに、訪問先の方が甘いものを召し上がるかどうかをついつい考えてしまうものですね。フランスにおいてそんな気遣いは無用。チョコレートはどの家庭にも受け入れられる、最も愛されるお菓子なのです。
パリをはじめ、どんな街でも中心部を少し歩けばチョコレート屋さんを見つけることができます。世界に名をはせる高級なお店から家族で切り盛りされる温かみのある小さなお店まで、店内には甘い香りがだたよい、ショーケースにはトリュフやナッツ・ドライフルーツ・ガナッシュなどの見目形とりどりのチョコレートが並びます。ギフト用の美しい箱入りはもちろん、チョコレートは一粒から買えるので、今食べたい数粒を指さして紙袋に入れてもらえば、お店を出た瞬間にその味を楽しむこともできるのです。
そんなフランス人の日常にはなくてはならないチョコレートですが、近年日本にも支店を置くショコラティエが増えてきました。一歩踏み入れればそこはフランスのチョコレートワールド。みなさまも一度足を運んでみてはいかがでしょうか。