しみじみ飲んで、明日も元気!
定食でも、お酒でも
昼夜ともに楽しめる
野毛で70年の老舗の味
【村田家】
夕暮れ時になると赤提灯が恋しくなるタイプなので、一人で暖簾をくぐることに躊躇はありません。とはいえ、初めてのお店はドキドキするので、ランチタイム営業があるお店なら、先に下見(下味?)しておくのが定石です。
というわけで、ずっと気になっていたのがココ。村田家さんは昼夜ともに定食でいただけるようなので、まずはランチタイムに伺ってみました。
迷わず注文したのが「くじらの竜田揚げ」。先輩方から給食の思い出なども聞きますが、いやはや、とんでもなく美味しい料理ではありませんか!サラダや煮物の小鉢もいっぱい付いてくるので、栄養バランスもバッチリ。
お隣には、昼過ぎから仲良くお酒を酌み交わすご夫婦もいらっしゃいましたが、確かに、このラインナップならお酒も楽しめそうです。
というわけで、日を改めて、夕暮れ時に再訪しました。
気が急いて、4時半の開店と同時に突入! まだ明るい時間帯なので、まずはビールで軽く喉を潤します。お通しは手作りの煮物。これだけで、何となくしみじみしちゃいますね。
ふぐ・いわし・くじら料理を看板に掲げていらっしゃるので、まずはいわしの刺身からオーダー。
昭和の時代ならいざしらず、ふぐ、いわし、くじらは、いずれも今や高級品です。美しい木の葉造りで出てくるあたり、さすが老舗の料理屋さんですね。
続いてはくじら。刺身とベーコンは食べたいけど、あれこれ頼むと懐が…と悩んでいたところへ「鯨がお好きなら、セットもありますよ」という女将の甘い言葉。迷わず「お試しセット」を注文してみました。
これ、超お得です! ピンっと角が立った新鮮な刺身。真っ白な脂身が美しいベーコン。竜田揚げより薄味でサクサク感が美味しいフライ。そして初めて食べる燻製。臭みがなく、それでいて鯨の個性を感じさせる4つの味が、2060円で楽しめます。
入口付近は気軽に入れるテーブル席、その奥に小上がり。さらに奥には宴会もできるお座敷があります。
戦前は、伊勢佐木町でてんぷら屋として営業していたといいます。戦後、接収にあったことから野毛へ移転。当時、統制外で自由に扱えたことから「ふぐ」を扱う料理屋として再スタートを切ったのが、昭和20年頃のこと。野毛にはふぐ料理の店が多数ありますが、その先駆けとなったのが、村田家さんだそうです。
木造の店舗は、数年前に改築されてすっかりキレイになっていますが、老舗としての風格十分。それでいて女性一人でも入りやすい気さくな雰囲気に、やっぱり野毛ないいなぁ〜としみじみ感じました。