知識と技術を兼ね備えたエキスパート!「クリーニング師」のスゴ技
そろそろ衣替えの時期だけど、衣服の正しいお手入れ方法がわからない…
そんな時には、クリーニング店にお願いするのがオススメです!
クリーニング業発祥の地である横浜のクリーニング屋さんは、文明開化とともに始まった伝統技能を受け継ぐ職人です。
今回は、神奈川県クリーニング生活衛生同業組合の方にクリーニングに関するお話を伺ってきました!
馬車道駅から徒歩3分ほどの場所にある「神奈川県クリーニング会館」。
こちらではクリーニングに関する会議や講習会などが行われているそうです。
この日は、組合員向けの広報紙の校正会議にお邪魔させていただきました。
お話をしてくださったのは「消費者にクリーニングの良さを伝えたい」と活動されている柴田さん。
「家庭で洗濯するのとプロにお願いするのとでは、風合いが落ちにくい点が大きく違います」
クリーニング師は素材や汚れの種類によって洗濯方法や溶剤を使い分けているそうです。
「クリーニング店でしっかりと汚れを落としてから仕舞えば、半年経っても黄ばみません」
これこそ、知識と技術を兼ね備えたプロにしかできない匠の技ですね!
ちなみに、全国のクリーニング店には必ず「クリーニング師」がいることを知っていましたか?このクリーニング師になるためには、国家資格のクリーニング師の免許が必要です。
現在、横浜市内だけでも2,650名のクリーニング師がいるそうです。
全国のクリーニング師が集まって技術力を競い合う大会の様子。
皆さん真剣でカッコイイですね!
残念ながら今年はコロナの影響で中止になってしまいましたが、毎年10月に横浜で開催される「よこはま技能まつり」では、クリーニング師がアイロンがけを披露したり、一般の人にアドバイスしたりしているそうです。
「来た人は喜んでくれています。組合として、そういった消費者への活動もしています。少しでもクリーニングの良いところが消費者に伝わると嬉しいです」と、柴田さん。
実際にクリーニング師試験で使用されるアイロンと霧吹きを見せていただきました。普段私たちが家庭で使っている物とは見た目も重さも全然違います…!
霧吹きは50年~60年前から使われている物だとか!
アイロンは後ろに付いている二つのレバーで温度調節をするのですが、この絶妙な温度調節を失敗すると衣類があっという間に焦げてしまいます…
アイロンの重さは約5kg!この重さを利用して、上からプレスしてシワを伸ばしていきます。腰をつかって体全体で動かし、アイロンの先端のカーブを利用したり、生地を左手で持ち上げながらかけていきます。
「意外と生地を浮かしたり動かしたりする左手の動きが重要です」
ちなみに、シャツのボタン部分は裏側からアイロンを当てるとかけやすいそうですよ♪
職人ならではの、ちょっとしたアイロンがけのコツがたくさんあるんですね!
「今の洋服はきっちり仕上げない方がいい物もありますよね。だから街中で人がどういう風に着ているのかや、流行りを見たりします。素材が昔とだいぶ変わってきていますから。昔は綿とかウールなど、天然ものが主流でしたが最近はポリエステルの物が多くなってきています」
現代のライフスタイルはだいぶ様変わりし、私たちが普段着ている洋服の素材や形も時代とともに変化しています。
今はラフな格好が多いため、クリーニングの需要も減ってきているそう。
最近は自宅で洗える物も増えてきていますし、クリーニング慣れしていない人からしたら、何をクリーニングに出せばいいのかわからない…ってこともありますよね。
そんな若者の不安にも、柴田さんはこう答えてくださいました。
「Tシャツでもポロシャツでも何でも、全然気にせず気軽に出してください!受付でしっかりと説明をしますので、まずは相談してください。特にお気に入りの物はクリーニングに出すと長持ちしますし、いつでもシャキッと着れるようになりますよ」
クリーニング組合では、こういったクリーニング慣れしていない若者にも分かりやすいように、WEBサイトなども活用しているそうです。
最後に、衣類に関して重要なポイントを伺いました。
・冬物は天然素材が多いので、特にしっかり仕舞い洗いをすること
・買う時に、生地や素材を確認すること
「そして、分からないことがあったら何でも気軽に相談してください」
受付から仕上がりまで、しっかりとコミュニケーションをとりながらお任せできるのがクリーニング店の良いところ。困ったときはまず相談して、信頼できるクリーニング店を見つけてみてくださいね♪