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アート
2020.05.29

《ホルン》多くのオーケストラ作品で印象的なメロディーを担当

 

金管楽器の代表はホルン
ホルン奏者・熊井優さんに伺いました

「ホルン」という名は動物の「角」に由来します。
遠い昔、狩猟が盛んだったヨーロッパでは、山羊や水牛の角をくり抜いたものが吹かれていました。やがて金属製に移り変わりましたが、これは熱を加えることで管を曲げたり伸ばしたり加工がしやすく、腐食に強く、そして音の伝達性に優れていたからです。現代のホルンは銅と亜鉛の合金である真鍮(ブラス)で造られていて、空気の力で生まれる唇の振動をマウスピースを介して楽器に伝えて奏でる「金管楽器」の仲間です。
ホルンの丸いカタチは、狩りに出る際、馬に乗って持ち運ぶために管を巻いて束ね、肩にかけていたことがルーツです。現代のホルンの管を全て伸ばすと、実に4メートル近くなります。獲物を追いかけながら後方にいる仲間に向かって吹いていた当時の名残で、いまもベルは後ろを向いています。
当初は自然倍音しか演奏できませんでしたが、18世紀に入るとベルの中に右手を挿し入れて管の長さを調節し、音階を演奏する技術が確立され、やがて産業革命を迎えヴァルブが発明されたことで、すべての音域をむらなく滑らかに演奏できるようになりました。

 

ホルンが活躍する楽曲を教えてください

J.S.バッハやヘンデルの時代から現代にいたるまで、ほとんどの時代の作品で狩りの場面、自然や森、あるいは宇宙など深遠な世界を表すときに象徴的に用いられます。狩猟や戦争での号令から発達した楽器らしく、英雄的で勇壮なシーンで大活躍します。
吹奏楽のマーチで裏打ちばかりやっている地味なイメージがあるかもしれませんが、それはホルンの仕事のほんの一部に過ぎません!
ハイドンやモーツァルトをはじめ、多くの作曲家によって独奏曲や協奏曲が書かれていますし、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、マーラー、ブルックナーの交響曲、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスのオペラ、ジョン・ウィリアムズの映画音楽…。語り尽くせないほど多くのオーケストラ作品で美しいホルンのメロディーを聴くことができます。

 

熊井優さんの演奏をチラッとお届け!
*かたつむり(唱歌)

トランペット、トロンボーン、チューバなど金管楽器のオーケストラにおける役割は、音色の面ではもちろんですが、特に音量の面で表現の幅を大きく広げることにあります。また、作曲家がそれぞれの楽器の個性を作品の中でどのように活かしているかを聴くのも面白いです。
ホルンは柔らかい音色を併せ持ち、あらゆる楽器と溶け合うことができるため、木管楽器や弦楽器と一緒に演奏することも多く、響きに厚みや色を加えたりと、華やかなメロディー以外にも多くの役割があります。
基本的に、高音域担当の1・3番奏者と低音域担当の2・4番奏者で協力して広い音域をカバーし合い、ひとつの和音を奏でます。チームプレーがとても大切な楽器です。

 

 

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