Trip
2020.06.26
車両基地の下に広がる地下空間 洪水を受け止める「川和遊水地」へ
昨年の度重なる台風の上陸や近年頻度が増えている大雨。
今回は、そんな大雨や洪水から地域を守るべく、人知れず地下で活躍する遊水地についてご紹介します。
横浜市営地下鉄グリーンラインの車両基地の下に、「川和遊水地」という施設があるのを知っていますか?
鶴見川の流域内人口密度は全国1位で、戦後の高度成長期において急激に市街化された地域です。
東京都町田市上小山田の泉を源流とし、鶴見区の河口から東京湾に注ぐ鶴見川は、古くから洪水氾濫を繰り返す「暴れ川」として恐れられていました。
川和遊水地は、そんな鶴見川流域に住む人たちの生活を守るために、神奈川県が建設し、平成20年3月に完成した貯水施設です。
地下鉄空間を立体的に利用した全国で初めての遊水地で、洪水時にはここに約120,000立方メートル貯水することができます。
平成30年3月9日の豪雨の際には約111,000立方メートル貯留しました。これは過去最高貯水量で、25mプール約300杯分!
大雨などで増えた川の水を一時的に遊水地内に流入させ、川が溢れるのを防ぎます。
洪水が治まり、鶴見川の水位が下がった時点で、この排水ゲートから少しずつ川に水を戻す仕組みです。
令和元年台風19号の際には、川和遊水地が約87,000立方メートル(25mプール約230杯分)を貯留したことで、鶴見川が溢れるのを防いだそうです。
普段からその姿を目にする機会はない遊水地ですが、陰ながら私たちの生活を支えてくれているのです。
現在はコロナウイルスの感染拡大防止のため休止していますが、通常時は施設見学も実施しています。(見学再開や詳細はHPをご覧ください)
今回は実際に見に行くとはできませんでしたが、身近にこんなに壮大な地下空間があることに驚き、ますます興味が湧きました。