mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

Art&Culture
2020.03.19

日本友好の架け橋となった横浜山手の『シドモア桜』

今から100年以上前に日本からワシントンへ渡った桜。

そのDNAを受け継いでいる桜が横浜にあります。

 

 

毎年春になると話題になるワシントン・ポトマック河畔の桜並木。この桜は1912年に東京市から贈られたものですが、その実現にはエリザ・R・シドモアというアメリカ人ジャーナリストの尽力がありました。

 

日本・人力車旅情より

 

 

彼女は1884年から日本を訪れては人力車で各地をまわり、日本の文化や美意識を高く評価していました。

 

中でも”向島の桜”の美しさに心を打たれ、「ワシントンに日本の桜を植えたい」と強く願うように。各方面に働きかけ、1909年にタフト大統領夫人のヘレンに頼んでようやく桜の移植計画が進みはじめました。

 

しかし、当時の事情は過酷を極め、一度目は害虫がついていて失敗。その後、横浜植木や日本郵船等の協力を得て、二度目は無事にワシントンへ3000本の苗木が届けられました。

 

多くの学者や業者等の協力があった桜の輸送ですが、その中でも横浜植木のノウハウは素晴らしく、根を水苔で包む等の梱包や包装が当時のアメリカ人を驚かせました。

提供:シドモア桜の会 小林治雄著作「エリザ・シドモアとワシントンの桜」

 

 

実に20年以上の歳月を経てシドモアの夢が叶ったのです。

日本からワシントンへは、順番に長く楽しめるようにと開花時期が異なる数種類の桜が届けられました。

 

そのシドモアのお墓は山手の横浜外国人墓地にあり、母や兄と一緒にこのお墓に眠っています。

撮影:菊池 優 氏

1991年3月、シドモアをしのぶ人たちが横浜に集まり、ワシントンから里帰りした桜の苗木をシドモアの墓前に植えました。

 

シドモア桜は、外国人墓地内のアメリカ碑の後ろにも植えられており、斜面にしっかりと根を張っています。毎年春になると綺麗な花を咲かせているそうです。

 

 

 

そのほかには大倉山公園や元町中華街駅付近でも見ることができます。

元町中華街駅を出たところで見られるシドモア桜の前には、シドモア桜についての説明板も建てられています。

 

撮影時は残念ながらまだ桜を見ることはできませんでしたが、100年以上前のシドモアの心意気に思いを馳せ、この桜が咲くのを楽しみにしたいですね。

みなさんも今年の春はぜひ、シドモア桜を見に横浜の山手に足をはこんでみてはいかがですか。

 

SPOT INFO

横浜外国人墓地資料館

1854年ペリーが来日した際、戦艦ミシシッピ号の上で仕事をしていたアメリカ人、ロバート・ウィリアムズが誤って転落死。海の見えるところに墓地をというアメリカ政府の意向から、この地に埋葬されたのが外国人墓地のはじまりです。現在では四十数か国、4,200人余りの墓標が並びます。鉄道の創始者のモレル、初めて日本にビール工場を設立したコープランド、フェリス女学院の創立者キダー…横浜を第2の故郷として活躍した著名人も数多くここに眠っています。

  • ショップ・スポット名
    横浜外国人墓地資料館
  • 住所
    神奈川県横浜市中区山手町96
  • 電話
    045-622-1311
  • URL
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