江ノ電の目の前に建つ日本家屋で上品な甘みのおしるこを召し上がれ
風情ある江ノ電が走る景色を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごすことができる和の空間。
むしろ現実離れしているような、そんな場所が本当にあります。
和田塚駅から徒歩1分。
もう駅からその門構えが見えています。
今回お邪魔するのは、立派な日本家屋で営まれている甘味処「無心庵」です。
のれんをくぐると、そこにあるのは昔の日本のあたたかい風景。
こちらの建物は、店主のおばあさまが住まれていた自宅をそのまま利用したそう。
築100年余りだというこの日本家屋は、足を踏み入れるだけで
和の温もりを感じることができます。
奥に入ると、陽が降り注ぐ庭を望む座敷席が。
今回はここでゆっくり時間を過ごさせていただきました。
こちらもまたレトロな温もりのあるお品書き。
たくさんの甘味の中から、寒い時期にぴったりな一品をご用意いただきました。
それがこちら。
田舎汁粉 ¥800
創業以来変わらないレシピで作られたお汁粉は、
温かい椀とお漬物、そして麦茶がセットになっています。
田舎汁粉はつぶあんを使用。
澄んだ汁を一口いただいてみると、不思議と最初にほんの少しの塩気を感じ、
そのあとほんのりとした甘味が口に広がります。
さらさらとした口当たりです。
また、小豆が絶品!
ゴロゴロとしっかりした豆感と、豆本来の味をしっかりと味わうことができます。
小豆と汁の絶妙な味は、独自の製法によるもの。
炊く時に、小豆自体に味を染み込ませて煮ることで、
ほんのりとした甘味と塩気の絶妙なバランスが生まれるのだとか。
また、小豆の粒がつぶれないように煮るのは、職人のなせる技。
お餅は正方形のものが2つ。
網で焼かれた餅の香ばしさが、さっぱりとした甘さの汁のアクセントになっています。
甘いものを食べているときは、箸休めも欲しいところ。
そんなときに嬉しいのがきゃぶらきです。
信州のものを使用しており、こちらはお店でも販売しています。
そして何といっても嬉しいのは、この景色。
座敷から眺められるお庭には、160種ほどの野草や花が息ずいていて、
見るものの心を清らかにしてくれます。
店内に飾られているお花も、お庭で咲いているものを。
「うちの座敷には、うちの庭で咲いた自然で飾り気のない花が一番似合う気がして」
とおかみさんは言います。
仕事に、学校に、家庭に、たくさんの「目の前のこと」で手一杯な毎日。
「目の前のこと」に疲れたら、「無心庵」を訪れてみてください。
温もりと、安心感に包まれて、
またもう一度「目の前のこと」をがんばれるような気持ちになることと思います。