閉店の危機から心機一転!まちづくりの拠点となる本屋へ
あなたの住んでいる町に、本屋さんはありますか?
小さな町の商店街に、時代や町とともに進化する本屋さんがあります。
東急東横線・妙蓮寺駅から徒歩3分。昔ながらの商店街の中に「石堂書店」はあります。地元客からはもちろん、各駅停車駅にもかかわらず遠方からもお客さんが訪れる、創業70年の老舗本屋さんです。
近年の出版不況のあおりを受け、町から本屋が次々と姿を消していく。3代目店主の石堂智之さんは、石堂書店を本を売るだけの店から“新しいまちの本屋”にするべく、“まちの本屋リノベーションプロジェクト”を立ち上げました。クラウドファンディングで資金集めを行い、空きスペースだった店舗の二階をコワーキングスペース、向かいの倉庫をイベントスペースへと改装。
この日はイベントスペースとして生まれ変わった「こいしどう書店」のオープニングイベントへ行ってきました。
プロジェクトメンバーは地元、妙蓮寺で不動産建築屋を営んでいる「住まいの松栄」酒井さんと、石堂書店二階の「本屋の二階」にあるオフィスで本をつくっている出版社「三輪舎」の中岡さんです。
石堂書店は妙蓮寺で生まれ育った酒井さんにとって幼い頃に通っていた馴染み深い場所。隣駅の菊名で生活している中岡さんにとっても、いつもついでに寄り道できる、生活の中になくてはならない本屋なんだそう。
職種の違う3人で結成した“まちの本屋リノベーションプロジェクト”。同世代の3人は、それぞれの想いや個性を出し合いながらとても楽しんでいるようでした。
このプロジェクトで7月に完成した「本屋の二階」はコワーキングスペースになっており、誰でも自由に読書や作業をしたりできる場所になっています。店主が淹れたコーヒーを飲みながらまったり過ごせるようなコーヒーブレイクも計画中なのでお楽しみに。
今回のトークイベントが行われた「こいしどう書店」では、作家を招いての絵本の読み聞かせやワークショップ、地元作家のアート作品の展示などが行われます。
他にも“ブックファンディング”といった企画が行われており、思い出の詰まった本を石堂書店へ寄付することができます。寄付された本は、こいしどう書店で販売され、また新たな読み手のもとへ行きます。その本にまつわるエピソードやメッセージを添えて、あなたの大切な一冊を次の誰かへ贈ってみてはいかがでしょうか。
「本のオアシス 石堂書店」という名のとおり、「お客さんや本にとってオアシスのように憩いの場所であり、文化が交差し刺激になるようなお店をつくっていきたい」という石堂さん。町の交流点となるべく進化した“まちの本屋”が、これからどのようにして“未来の本屋”へとなっていくのかがとても楽しみです。
Information
[住所]神奈川県横浜市港北区菊名1-5-9
[TEL]045-401-9596
[URL]http://books-ishidoh.com
[営業時間]10:00〜20:00[休業日]不定休・主に日曜日
[アクセス]東急東横線妙蓮寺駅より徒歩2分