冬限定の鴨鍋は絶品の味♪ 古民家をリノベした本格蕎麦処
江ノ電由比ヶ浜駅を降りて住宅街を進むとすぐに現れる門構え。
老舗の高級感が漂うこのお店の名は「鎌倉 松原庵」といいます。
こちらは季節の一品料理や地酒などが楽しめる、本格蕎麦処です。
……と、この説明と門構えに、少し敷居が高いかな、と不安になる方もいるはず。
しかし門をくぐった先には、温もりのある空間と誠意のこもったあたたかいお食事が待っていました。
のれんを開けると、そこには古民家と開放感のあるテラスが広がっています。
「鎌倉 松原庵」は、築80年ほどの古民家をそのまま利用したお店で、
庭の木々も当時のままにいかしています。
テラス席では肌寒い季節でも心地よく過ごせるよう、ブランケットが設置されており、
ゆっくりと食事と会話が楽しめる空間。
また、敷地内にはカフェも併設されています。
古き良きものに新しい発想を加えた空間を目の当たりにし、
先ほどの不安が薄れていくように感じました。
古民家をリノベーションした店内に入ると、こちらも温もりのある雰囲気が広がっています。
この温もりある空間でいただける食事ってどんなだろう。
早速、「これからの季節にオススメのお食事を」とお店の方にお願いして
ご用意いただいたのがこちらです。
鴨鍋 2人前 ¥5,720(税込)
まず目を惹くのが、きれいな赤い色の鴨肉。
このお肉は茨城県で放牧されて育てられている鴨を使用したもの。
数が限られているので、大変貴重なのだとか。
新鮮なこの鴨肉は、昆布出汁にさっとくぐらせて、
ほんのり霜降り状態になれば食べごろです。
火を通したお肉は、蕎麦つゆを軽くつけていただきます。
口に含むと、鴨の旨味が凝縮され、濃厚でしかしながらさっぱりとした脂の香りが口いっぱいに広がります。
本来の野趣溢れる風味の中にも、臭みは全くなく、甘みすら感じさせるのがとても不思議です。
添えられた焼きネギや焼き豆腐(絹ごし豆腐を店内で焼いているので、みずみずしい!)も
さっとお出汁にくぐらせていただくと、口に残った鴨の脂をさらっていき、
それぞれ素材同士の味わいを引き立てているようでした。
鴨鍋を食べたあとの締めには、やっぱりこちらですよね。
せいろそば ¥1,056(税込)
その日店で出す分しか打たないというこだわりのお蕎麦は、つるりとした喉越しが味わえる二八蕎麦。
濃いめの蕎麦つゆとの相性も抜群です。
お蕎麦だけでももちろん美味しくいただけますが、
鴨鍋を食べたなら、鍋の出汁にそばをくぐらせて食べるのも一興です。
鴨肉の旨味が溶け出した出汁にそばを絡ませると、一層風味高いお蕎麦に大変身でした。
この小窓から見えるのは、職人が蕎麦を打つ姿。
運が良ければ、1日に数回打つその瞬間を目にすることができます。
とても贅沢な食事と空間を提供する「鎌倉 松原庵」を支えているのは、
小さな部屋で真摯に蕎麦を打つ職人の姿に象徴されているように思います。
作り手が本当に美味しいと思うものを、最高の状態で食べて欲しい。
その思いがこのお店の真髄であり、
だからこそ、自分の大切な誰かを誘ってみたくなるのです。
年末の年越し蕎麦を、心身ともに贅沢な気分で味わうなら、こちらのお店がオススメですよ。