『お豆の話 1 グリーンピース』~ポタージュ・サンジェルマン~
ものがたりのあるレシピ。3月
お豆が好きでない、という人は大人にも意外と多い…はお料理の先生をはじめて気づいたこと。同時に美味しい豆料理と出会って豆好きになる人も多く見てきました。豆嫌いを豆好きに変えた代表料理がこれ。春の訪れを知らせる、色鮮やかなグリーンピースのスープ『ポタージュ・サンジェルマン』です。
『ポタージュ・サンジェルマン』
2人分 調理時間 20分
1.鍋にバター小さじ1を熱し、粗みじん切りの玉ねぎ30gと生グリーンピース120gを弱火で5分炒める。
2.鍋に水450mlを加え10分煮てからフードプロセッサーですりつぶし鍋に戻す。
3.2に生クリーム70mlを加え温め、塩で味付けをする。クルトンを添える。
3月のコラムは“ グリーンピース ”のものがたり
『お豆』とは、どうやら好きか嫌いか、好みが分かれる食材のようです。その最たるお豆はおそらく“グリーンピース”。残念ながら子供からの人気は低いようで、そのまま大人になってしまう人が多いのかな、と思います。
斯く言う私も、豆が好き、言い切れないまま大人になった一人ですが、いくつかの素敵な料理との出会いが、豆への興味を与えてくれました。その一つが今回紹介した『ポタージュ・サンジェルマン』。サンジェルマンとはパリ東部の地名で、以前この辺りはグリーンピースの産地だったとか。フランスのグリーンピースは日本のものより一回り小さく硬く、もそっとした感じが少ないのが特徴。そのため食べやすさも手伝って、この出会いがグリーンピースとの距離をグンと縮めてくれました。
私たちの口に入る豆は乾物から料理されるものが多いですが、春から夏にかけては多くの生豆が出回る季節です。フレッシュな味わいを楽しむために、今回はブイヨンを使わない塩だけのシンプルな味付けに、さらに生クリームを加えた滑らかなレシピに仕上げました。グリーンピースの滋味あふれる一皿で、春の訪れをたのしんでくださいね。
那須井綾子
航空会社勤務を経てパリにて料理を習得。
横浜にて料理教室『レ・キュイジニエール』を主催。