横浜では希少なミニシアターで、こだわりの映画をじっくり鑑賞
大手の映画配給会社に縛られず、独自にセレクトした映画を上映するミニシアターには、「自分磨き」にぴったりの、ちょっとカッコイイ雰囲気がある。シネコン全盛の今日、そんなこだわり映画館はすっかり影を潜めてしまったが、どっこい「横浜シネマリン」は、デジタル化に対応して素敵にリニューアル・オープンしたのです!
2年ほど前に経営を引き継いだ八幡温子さんは、元々、横浜の映画環境向上を目的とした映画サークルを運営していた方。映画興行はまったくの素人だったそうだが、幅広い人脈とネットワークをいかして、毎月興味深いプログラムを組んでいる。デジタルリマスターと新訳で話題を呼んだゴダール作品から、社会性のある硬派な作品まで。有名・無名を問わず、製作背景や国籍も多種多様。いずれも選び抜かれた作品なので、人生を変えるような素晴らしい1本に出会えるかも。まずはホームページでスケジュールをチェック!
館内は、デジタル化に対応するべく、設備機器も内装も全面リニューアル。全102席と席数は少なくなったが、スクリーンは以前より一回り大きくなり、音響機器も一新された。座り心地の良いソファーと迫力の音響システムは、失礼ながら、以前のシネマリンからは想像できないほど。それでいて、シネコンとは違うちょっぴり親密な空間は、デートにもおすすめ。
自宅でDVDを観るのも悪くないが、映画はやはり、これくらい大きなスクリーンで観たい。同じ作品でも、伝わってくるものが一味もふた味も違うはずだ。
ロビーには、ゆったり座れるベンチがあり、待ち合わせにも便利。
横浜シネマリンのオープンは、実は60年ほど前にさかのぼる。すっきりリニューアルされた館内にはかつての面影は微塵もないが、ミニシアターを愛する映画人たちの「熱」だけは、そこはかとなく漂っている気がする。
ロビーには、上映中、あるいは上映予定の映画の批評や解説が紹介されている。ここで情報を収集して、次に観る映画を決めるもよし。作品理解が深まること請け合いだ。