世界の文化を「人形」の視点から見て、気軽に楽しむ。
横浜市に寄贈された、大野英子氏、太田ますい氏らの人形コレクションを中心に、現在では140以上の国と地域、1万点以上の人形を所蔵する国内唯一の施設。子どもはもちろん、人形と一緒に遊んだ時代を懐かしく感じる大人にとっても、楽しい時間を過ごせる場所だ。
もちろん、たかが人形と侮ることなかれ。人形は子どものおもちゃであると同時に、世界の民族や風俗、歴史を伝える「文化大使」にもなり得るのだから。ここで見ることができる人形は、人間国宝の作品からぬいぐるみ、昨今のクールジャパンの象徴ともいえるフィギュアまで、驚くほど幅広い。それを「玩具」と見るのか、「アート」や「ファッション」「伝統文化」と見るかは、あなた次第。
エントランスホールから展示室に入ると、世界100以上の国と地域の民族人形や、日本の郷土人形などがお出迎え。
展示品は適宜入れ替わるが、見るだけでなく、実際に触ったり、動かしたりして遊べる展示を心がけているそうなので、子どもたちが世界を感じるきっかけになるかも。
3階へ上がる階段の壁には、公募で集まった「人形と過ごした思い出」の写真を展示。社会現象になった人形もあれば、時代とともにスタイルが変化してきた人形もある。年代順に展示されているので、自分の子ども時代を振り返りながら、3世代で楽しめそう。
3階は、西洋の人形と日本の人形、2つのコーナーで構成。人間国宝の作品やビスクドールの名品など、芸術性に富んだ素晴らしい人形に会える。
日本の市松人形と西洋のビスクドール。デザインだけでなく、素材やパーツの違いを実際に手で触れて比較できる「人形師の工房」。映像と合わせて見ることで、それぞれの制作工程や職人の技を並行して学べる点が興味深い。