mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

骨格から美しくなる!? プロのメイク術、教えます♪

メイクが、自分の道を
歩み出すきっかけになれば

女性をより美しく輝かせるメイク。Kaoruさんはおよそ25年にわたってメイクアップアーティストとして広告業界で活躍し、専門学校で教鞭をとってきた。華やかなその世界に区切りをつけ、メイクアップ教室を開いたのは、2011年6月のこと。ご家族が病に倒れたことがきっかけだった。「抗がん剤で顔が黒ずんで悩んでいる姿を見て、メイクで力になりたいと思いました。モデルさんではなく、もっと身近な人たちに気持ちが前向きになるようなメイクを教えていこうと決めたんです」。
現在、月に約80組の生徒さんが通うKaoruさんの教室では、崩れにくいベースメイクの作り方、骨格に沿ったシェーディングで小顔に見せるテクニックなど、プロならではのワザを惜しみなく伝えている。「お顔だけでなく、お人柄まで知った上でメイクをさせていただける今の仕事がとても楽しいです。ゆっくりしっかり生徒さんに向き合って、その方の個性が前面に出るメイクをお伝えしていきたいですね」。


女性らしいインテリアのおしゃれな教室。和気あいあいとした雰囲気で、生徒さんとのガールズトークが弾むことも多いとか


レッスンのために用意された鏡は、両脇にいわゆる「女優ライト」が埋め込まれた特注品。肌の色が明るく美しく見えるという


レッスンのポイントをわかりやすくまとめたプリント。自宅で復習や実践ができ、着実にメイクスキルがアップしていくという


使用するコスメや用具は自身が試して、いいと納得したものだけ。メーカーに縛られず、提案してもらえるのもうれしいところ


「その人の個性をなくしてしまったら、いいメイクとはいえない」というKaoruさん。相手の良さをていねいに引き出していく

メイクアップアーティストKaoruさんインタビュー

まずは、メイクを習いに来る方のきっかけを教えていただけますでしょうか。
「ほとんどが自分の顔に自信がない、メイクの仕方が全くわからないという方ですね。私は以前、雑誌のメイク特集なども担当していましたが、正直なところ『(この誌面の説明だけだと)わからないだろうな』と思っていましたもん(笑)。100人いたら100通りの顔があるのに、見開き2ページで説明するとかね、やはり無理がありますよね(笑)。一生懸命に言葉で書いても、実際にその方の顔でメイクをやって見せないとわからないんじゃないかと」

確かにそうですよね。美容雑誌などで「目のキワの粘膜にアイラインを入れましょう」と書いてあるのを見て、どの程度入れたらいいのかとか迷った経験があります。
「そうでしょう。そもそも粘膜に描くなんて怖いですもんね。よっぽどメイク好きな方でしたらわかるかもしれませんが、あまりメイクに詳しくない方が見てもわかりにくい思います」

そう伺って少し安心しました(笑)。実際のところ、Kaoruさんがメイクをアドバイスする際に、プロとしてご覧になるのは顔のどの部分ですか?
「顔というか全てですね。顔じゃなくて、その人の人となりを最初のレッスンの時に引き出すんです。例えば、『今自分はこうだけど、こうなりたい』というビジョンが女性は必ずあるんですね。例えば結婚したいとか、就活に成功したいとか。そういうビジョンが実現できるようにメイクも近づけていきますし、その方のライフスタイルだとか、勤めている会社だとか、お付き合いしているパートナーだとか、いろいろなことを考えて、その方に合うメイクを提案させていただくというのが私のポリシーです。見た目だけでなく、その先を見据えて提示させていただいています」

その方のイメージが生かされることもあれば、全然違うイメージになることもあると。
「そういうケースもあります。ただ私のメイクのモットーとして、その人の個性がなくなってしまうのはメイクではないと思っているんです。例えば、目の小さな方はパッチリ見せようと太めにアイラインを入れがちですが、目をつぶった時にまぶたの半分にラインが入っていたら自然ではないですし、逆効果ですよね。逆にキワに細く入れることで、どんな目の方でも大きく見えるんです。いかにメイクの存在感を消して、その方がより魅力的に見えるか、という点を一番大切にしています」

頑張ったのが逆効果になってしまうことってありますよね。
「見ていて、そういう方って少なくないですよね。その方の顔ではなくて、メイクが前面に出ている方っていうのはもったいないですよね」

何回かレッスンしたりお話したりするうちに、Kaoru先生としてその方も個性がつかめてくる感じでしょうか。
「そうです。同時に、第一印象ももちろんありますよね。初めてお会いして、『ここ、こうしたらすごく変わりますよ』ということをお伝えすることもあります。メイクがある程度わかっている方と、全くわかっていない方ですと少し違う部分もありますが、まずメイクの理論から説明して、『メイクにはいろんな種類があって、今のあなたにはこういうメイクが必要ではないですか?』とご提案するところからレッスンに入っていきます」

メイクに種類があるということ自体、考えたこともありませんでした。
「みなさん、そうだと思います。でも、成人式や結婚式の晴れのメイクと、ふだん会社に行く時のメイクは違いますよね。そういうTPOですよね。それがうまく使いこなせると、すごく楽しいと思います」

なるほど。先生のレッスンでは、まず初級が5回あって、「肌の作り方」に力を入れていると伺いました。
「ファンデーションでシミやシワを隠そうとすると、ファンデーションは厚くなります。その前に、ベースクリームだとかコンシーラー、コントロールカラーをうまく使うことで、ファンデーションってすごく薄くて済むんですよ。例えればみなさん、温泉まんじゅうの皮のようにファンデーションを厚く塗りすぎて、本来のお肌である餡がまったく見えない状態になっているんです。 それに対して私の場合は、いろいろなものを薄く重ねて、素肌がキレイに感じられるようにしていくんです。言ってみれば、中身の餡が透けて見えている大福のようなメイクでしょうか(笑)。化粧もちもすごく良くなりますので、ベースメイクに多少時間はかかりますが、生徒のみなさんは実践してくださっています」

先生ご自身がいろいろなメーカーの商品を実際に使用なさって、「崩れにくい」とか「フィット感がいい」と実感なさっているので、アドバイスに信頼感がありますよね。
「あとは広告業界のメイクでしてきた経験ですね。また、専門学校で20年近く教壇に立っていましたので、筋道を立てて説明しないと相手はわかってくれないという実感もあります。わかりやすく説明する訓練が身についているんでしょうね。20代、30代の時には、今のように教室で教えるということはできなかったと思います」

どんな悩みの生徒さんが来るか、わからないですものね。
「そうですね。あと、若すぎる先生より安心感があるのかもしれないですね(笑)」

年齢によって似合うメイクも変わるでしょうし、いろいろ教えてもらえる楽しみがあるのだと思います。
「多いパターンが、ご自分が光り輝いていた若い頃のメイクをずっと続けている方。私の世代だと、真っ黒な太い眉に真っ赤な口紅とか(笑)」

昔の方が、みんな同じような「流行りのメイク」をしていましたよね。どうしてなのでしょうか。
「安心するんでしょうね。『そのメイクをしている自分は綺麗だった』っていう固定概念が残っているから冒険できないんです。メイクを変えることに、抵抗があるんですね。その部分を飛び越えれば、メイクがすごく楽しくなるんですけれど」

そのハードルを飛び越えるために、プロのアドバイスが必要なのかもしれませんね。自分のメイクに自信を持つために。
「それはあると思います」

身近な人をキレイにしたい。
そんな思いから教室OPENへ

続いて、Kaoru先生がメイクの道に入った経緯を教えていただけますでしょうか。
「ヘアメイクの仕事を21歳からやっていました。メイクは中学や高校のころから好きでしたが、そのころは『ヘアメイク』という言葉を知りませんから、美容師になろうと思っていたんです。それで、学校の資料を取り寄せたりするうちに、『メイクさん』という仕事を知ったんですね。
一番衝撃を受けたのは、雑誌の企画で『日本人の昔の化粧と今の化粧』を比較したのを見た時でした。昔の日本人の化粧は、真っ白に塗って赤い口紅をつけて黒い眉毛を描いただけ。それに対して、白と茶色とベージュで骨格にコントラストをつけるメイクをしたモデルさんは自然なのに立体的。メイクでこんなに変わるんだと衝撃を受けて、自分で顔に立体をつけることを高校生ながらやっていました。光と影のメイクを見て、メイクは色をつけるだけだけじゃないんだと知ったんですね」

お化粧する時に骨格のことまで考えていないです。ましてや高校生にとっては驚きですよね。
「私は絵を描くのが好きだったので、立方体や球体を描く時に描き込むシェードがメイクにも通じるんだなと思いました。今、メイクのレッスンでもシェーディングで立体をつけるやり方を教えています。影の部分に濃い色をつけると顔が小さく見えたり、垂れた部分が上がって見えたりするんですね」

シミ・シワをカバーするだけがベースメイクではないんですね!
「シェーディングは上級のテクニックで、最初はもっと基本的なことからやるんですけれどね。難しく教えるのではなくて、顔が小さく見える理論の一つとしてお伝えしています」

マスターしたら強い味方になりますね。
「メイクを学ぶことで、ご自分に自信を持たれる方も多いですね。教室に通い始めてご結婚が決まった方、就職が決まった方など自分自身の道を歩きだされた方もいらっしゃいます」

気持ちが上がるんでしょうね。
「綺麗になった、っていう気持ちが大きいんでしょうね」

はい!百戦錬磨のプロのアドバイス、本当に貴重ですしうれしいと思います。
「私は、家族が抗がん剤の治療の影響で顔が黒ずんで悩んでいたんです。その時に、人を美しくするというメイクの根本を考えたら、こういう人のためにこそ、やるべきなんじゃないかと思ったんです。メイクがその人の力になるような教え方を仕事にしていこうと。広告現場のヘアメイクは華々しくて、自分がやったコマーシャルがポスターになったりするのは確かにやりがいがあります。でも、女優さん・モデルさんにとってプロにメイクしてもらうのはごく当たり前のこと。この教室で出会った生徒さんのように涙を流して「ありがとう」と言ってくれることはないんです」

今はこのスクールに力を注いでいらっしゃるんですね。
「はい。ゆっくりとしっかりと仕事をしたいというのが望みであり、この教室がその中心になっています。今やっていることが、私が一番やりたいこと。しっかりとその人の顔も中身も見て、メイクを提案させていただくのが今、一番楽しいんです」