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大人かわいいリネン服を一着一着手づくり♪ 伊藤みちよさん

スポーティーで、少しかわいく
そんな大人服を作っていきたい

どの年代の女性が着ても、さりげないかわいらしさが漂うMay Meの洋服。デザインから縫製まですべて一人で行う伊藤みちよさんは、小学4年生の時にシャーリングゴム入りの手の込んだワンピースを作ったという根っからの洋裁好きだ。
現在、May Meで多く使われている素材がリネン。その魅力を尋ねると、「リネンは夏涼しく冬温かいのでオールシーズンおすすめできます。自宅の洗濯機で洗えますし、乾きが早いんです。長く着ていると肌触りが柔らかくなってきますよ」と伊藤さん。「デザインが凝っているわけではありませんが」と謙遜するが、衿の形やピンタックなどで嫌みのないかわいさを出し、長く着られる飽きのこないデザインを生み出している。
今年公開された映画「繕い裁つ人」で洋裁指導をするなど、活躍の場が広がっている伊藤さん。「いつどんな話が来ても対応できる自分でありたいと思っています。ずっと縫っていきたいし、縫う楽しさを広げていけたら最高ですね」。


居心地のいいアトリエ。作業する白いテーブルは伊藤さんの手づくりで、自らペンキを塗り、シャビーに仕上げたのだそう


買い集めた生地がいっぱい!どんな洋服ができるのかワクワクする。ここに置ききれない分は、別室に大量にストックされている


プロが使うミシンは直線縫いしかできないため、用途に合わせて何台も使い分ける。どれも欠かせない大切な相棒たちだ


伊藤みちよさん

伊藤みちよさん インタビュー
まずブランドのことから伺いたいのですが、今年で立ち上げ何年でしょうか。
「ホームページを立ち上げたのが、11年前の5月8日でした。ブランドとしてはもう少し前からあったのですけれど」

もともと洋服を作るお仕事をされていて、独立なさったのですか?
「いえ、そうではなくて、お洋服を作るのは小さい時からずっと好きだったのですが、幼稚園の先生にもなりたかったので、一度そちらの道を選んだんです。ただ、ライフスタイルの中には洋服づくりがずっと入っていて「明日着ていく服がないから今晩作ろう」みたいな。私は手が長かったり背が高かったりして、自分にバランスのいい服がなかなか売っていなかったので、作るということをずっとしていたんです」

中学・高校の時から「自分で着るものは自分で作るのが当たり前」という状況だったのでしょうか。
「小学校の時からですね。幼稚園の時はリカちゃん人形の服ですよね。ハンカチを切って穴を開けてっていう。リカちゃん人形の服も着物がほしいのに着物が売ってないから作るということをやったり。最近母に聞いたんですけれど、うちにミシンがあったのは、小学生の時に私が欲しいって言ったかららしいんです。それで小学校4年生の時にはワンピースを作って、学校の自由課題に提出したりしていました。本当にただ単に好きだったんだと思います」

最初はお母さんに教えてもらったのがスタートですか?
「母に教えてもらった記憶はないのですが、母方のおじいちゃんが針と糸を教えてくれて幼稚園の時にぞうきんをチクチクやった覚えがあります。そういう子どもだったので、小学校高学年からじゃなきゃ入れない近所の洋裁教室に小学2年生の時に入れてもらいまして、お姉さんたちと手芸をしていました」

お母さんも娘の得意分野を分かって、伸ばそうと。
「そうだと思います。わりと好きなことはやらせてもらっていました」

最初にチャレンジしたお洋服は覚えていらっしゃいますか。
「覚えていますね。黄色い小花柄で胸にシャーリングが入ったワンピースです」

最初からそんな難しいものを!
「当時からシャーリングゴムを使ってやったんですよね。近所のお姉さんに教えてもらったのかなあ」

周りにも驚かれたんじゃないですか?
「母はもともと私がやっているのを知っていたので、そんなに驚かなかったのですが、学校に課題として持っていった時に周りのお母さんたちに賞賛をいただいて(笑)、「夏休みの宿題がんばった大賞」みたいなものをいただきました(笑)。
お友達のお誕生日にも自分で作った洋服をプレゼントしたりしていました。サイズもなにも分からないので、見た目と私自身との差を考えて作っていたのですが、数を作っていたせいか何とか着られるものになっていたと思います」

作ってもらったらうれしいですね!サイズも大体、見てわかるようになるんですね。
「私もサイズを測るという発想がなくて、学生時代に着ていたブラウスとかワイシャツを全部解体して型紙にしていたんです」

逆のパターンですね(笑)
「当時、本もそんなにたくさんなくて、学校の教科書ぐらいしかないから、出来上がったものを壊していろいろ作っていました。バンド活動をやっていたので、高校の文化祭ではおそろいのタンクトップを作ったり、今でいうビジュアル系というのでしょうか、真っ白なサテンでメンバー全員の衣装を作ったり。「ボーカルは途中で衣装替えね!脱いだらこうなるから!簡単に脱ぎ着できるようにホックになってるから」みたいなね(笑)」

そういう土台がありつつも、幼稚園の先生になるために進学なさったんですね。
「高校からの親友が服飾の専門学校に行っていたんですが、彼女は縫うのが好きじゃなかったのでデザインをやって、縫うのは私がやって……っていう学生時代を過ごしていました。自分でこういう洋服を作りたいという時には彼女にパターンの描き方を教えてもらって作ったり、宿題を手伝ったり、「門前の小僧」状態で(笑)」

「やっぱり服飾に行けばよかった」と思いがよぎることはなかったですか?
「それが全然なくて、バンドも続けていたので衣装を作りながら、幼稚園の先生になるかどうか卒業までに考えようと。
実は学生時代に音楽事務所との付き合いがあって、服飾の専門学校に行っている仲間といっしょにブランドを作らないかって言われたんです。プロのバンドの衣装を作るお店を立ち上げようと言われたので、どっちの道も両方ありつつ……で進んできたんですね」

幼稚園の先生かバンドの衣装製作か、どちらの夢も叶いそうだったんですね!
「ただ、ブランドを立ち上げる話が途中でなくなり、私も幼稚園の実習に行って先生になりたいと思ったから、わりと簡単に「じゃ、いいや」と(笑)」

ブランドのネット販売が始まった頃はまだ幼稚園にお勤めだったんですか?
「いえ、幼稚園はもう辞めて主婦になっていました。きっかけは主人とやっていたダイビングなんです。ダイビングへ行く時に着替え用のポンチョとか休憩している時に着るものとか、いろいろ自分で作って持って行っていたら、お友達が「私も欲しい」と言うので作ってあげて。そうしたらショップをやっていた友達から「うちの店に置かない?」と言われて、「置くにはブランドの名前を付けないとね」と。「じゃあ自分の頭文字Mがつくブランドにしよう」と辞書のMのページを開いて、言葉を探してブランド名をつけました」

声がかかるのは、やはり作っていらっしゃる洋服が素敵だからですよね。
「みんなのご縁に助けられています」

夏だけでなく冬も着心地◎
リネン服の魅力とは

今作っていらっしゃる洋服は、リネンのものが多いですね。
「そうですね。あとコットンとか、季節によってはウールとか。基本的に自分が着にくいものはイヤなので、ウールもチクチクしないものを選んでいます。ちょうどブランドを始めた時にリネンが流行り出して、モデルをやってくれた友達が「リネンでこういうの作って」と言ったのがきっかけでした」

季節や作りたい洋服に合わせて、生地を選ぶのでしょうか。
「そうですね。自分が作って売っている物はカラーリネンとかリネンが多いですが、雑誌に掲載する作品は皆さんが一般に手に入れやすいもの、チャレンジしやすいものを使ったりもしています」

最初に作ったものはご自分で着てみて、そこから商品にしていくと。
「だいたい試作は自分の服になるので、着てみたり洗ってみたりしています」

着てみて、感じるリネンの良さってどんなところでしょうか。
「まず乾きが早いということと、あとリネンと一言でいってもすごくたくさん種類があって、素材の割合とか奥が深いんですね。そこがすごく面白いです。最近はカラフルな色もあるのでファッションとしても楽しめるし。あとリネンって冬はあったかいんですよ。重ね着すると空気の層ができて、ふんわーりあったかくなるんです。最近ではリネンにシルクやウールを混ぜたもの、起毛させた加工のものも出てきているので、オールシーズンおすすめできます」

輸入のものが多いのでしょうか。
「できるだけ国産のものをと思うのですが、お値段がとても高くなってしまうという兼ね合いもありますよね。ですので、糸は海外産だけれど生地は日本で織っているとか、まっさらな状態で仕入れて日本で染めているとか、そういうものを使っています。やはり国産のものは品質がすごくいいので、できれば国産のものを使いたいですし、そういうものを扱うお店から仕入れています」

わりと扱いやすいイメージがあるのですが、実際はどうでしょうか。
「私が作っているのはすべて家で洗えるものです。人って冬でも汗をかくじゃないですか。そうすると、どうしても繊維って化学反応がおきるんです。染める時に化学的なものを使っている場合もありますし、染料と素材とで化学的な反応が起きて色が抜けたり、シミになったりすることもありますので、できたら着たらすぐに洗ってほしいというのがあります。色が濃いものはちょっと落ちてきたりしますが、一般的にそれも味として良しとされていますので」

そうしていくうちに味わいも出てきそうですね。
「肌触りとか変わってきますね!今日、私が着ているものも洗って干しただけなんですが、だんだん「あたり」っていって折れているところが白くなったりして、自分が「育てた」味が出てきます」

デザインをされる上で「ここが私らしい」と思われている点はありますか?
「特別にデザインが凝っているということはないと思うんですが、私自身お店で売っているものに満足いかなかったので、そこの部分を共感してもらっている方は多いかなと思います。だんだんお客さまの年齢が幅広くなってきて、だいたい10代から70代の方まで着ていただいているんですね。ですので、シンプルで長く着られることをコンセプトに……とはいつも思っています。その中に、女子なのでちょっとだけカワイイ要素も入れて、丸衿だったり、ピンタックが入っていたり、ギャザーが入っていたり。自分が華美なものが似合わないタイプだと思っているので、スポーティーだけどちょっとカワイイというところを狙っています」

少しマリンテイストも感じられますよね。
「好きなんです(笑)。グリーンとかブルーとかボーダー柄とか。著書とか気がつくとブルーの服ばかりになっていたりして、編集さんと「まずいよね」って考え直したりして」

同じ一着でも10代の方が着ても、70代の方が着ても似合うのはすごいことですよね。
「皆さんそれぞれに洋服を進化させてくれるので、『そういう着方か!』という発見があります。OLさんっぽい方と、カジュアル系の方では合わせるアクセサリーによって変わってきたり。同じデザインでも丈を少し短くしたらカジュアルになったりとか、伸ばすだけでフォーマルになったりとか変わるので、生み出した洋服をお客さまによって進化させていただいている感がありますね」

自分らしく着られるのも魅力の一つですね。
「はい。例えば柄物とか『ふだんこういうのは着ないの』とおっしゃるお客さまでも、『チャレンジして着てみたら、会う人に褒められるの』と喜んでくださることもあります。それが自信につながって、『じゃあ今度この色にトライしてみる』となると私も励みになるし、糧にもなります」

作り手冥利につきますね!
「メーカーのお洋服ってワンシーズンで終わりのことがほとんどですが、気に入った服は長く着ていただきたいですし、あんまり流行に左右されないようにとも思っています。パターンは手元に残しているので、次のシーズンにもオーダーしていただけますし、同じ形を買われる方も多いですね」

MayMeで出ている洋服はすべて手づくりなさっているんですか?
「そうです。よく「影武者がいるんでしょ?」とか言われるんですが(笑)、全部私が縫っています。やっぱり縫うのが好きなんでしょうね」

活動としては制作のほか、NHKに出演されたり、映画「繕い裁つ人」の洋裁指導をされたり、本当に幅広いですよね。
「本当にご縁なんです。NHKは著書をご覧になった方のご推薦だったり、映画のほうは、委託してる雑貨屋さんのオーナーさんの奇跡的な偶然の重なりのご縁でご紹介いただいたんです。」

ドンピシャという感じだったんでしょうね!
「その時もイベントがつまっていたし、個展も決まっていたし、自分もカツカツの状態だったのですが、それでもなにかお手伝いできることがあれば何でもやるよと」

洋裁指導というのは、どういうことをなさるなんですか?
「主演の中谷美紀さんがプロ中のプロという洋裁士の役なので、まずは足踏みミシンを使えるようにと、所作など立ち居振る舞いを指導させていただきました。あとは、ミシンを踏んでるシーンでもそれぞれ作っている想定の物がちゃんとあるのでご提案したりだとか。小道具もうちにあるものをお貸ししたり、私も映画の世界に関われて、すごく楽しかったです。アジア各国での上映も決まっているようですし、本当にいい映画に関係させていただいて、感謝感謝です」

最後になりますが、今後の活動として考えていらっしゃること、夢・目標がありましたら教えてください。
「そうですね、いつどんな話が来ても対応できる自分でありたいとは思います。いろんな勉強もしていきたいし、何度もいいますがご縁で生きているようなものですので(笑)、そういうご縁がきた時にできない自分にはなりたくないと思っているので、体力的にもそうですし、知識も技術も常に向上していきたいと思っています。
そもそも目標を持つのが苦手なタイプなんですよ。目標を持つと苦しくなっちゃうんです。『そこに到達しないといけない』と自分でがんじがらめになってしまうので、常にゆるーくしていたいなと思っています。もちろん、ずっと縫っていきたいし、縫う楽しさを広げていきたいなとも思っています。自分がトータルコーディネートしたお洋服を、自分で作って着た時のうれしさは今でも覚えているので、そういうこともお伝えしていきたいです」

伊藤みちよさん動画コメントはこちら!

May Me

デザインから縫製まで、May Meの洋服づくりすべてを行う伊藤みちよさん。幼少のころから針を持ち、高校時代からは自らのバンドの衣装制作なども手がける。その後、幼稚園教諭を経て、本格的に洋裁の道へ。2004年、ホームページでの販売をスタート。現在、ヴォーグ学園講師を務めるなど活躍中。

  • ショップ・スポット名
    May Me
  • 住所
    横浜市緑区

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