mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

ブラッスリーMr.Europeオーナーシェフ 若林俊男さん

「ヨーロッパの多彩な文化を

 気軽な大衆食堂の雰囲気とともに広めたいですね」

 

はじまりは「聖闘士星矢」だった。ギリシャ神話をモチーフにしたTVアニメに夢中になった少年は、学校で世界史を学ぶにつれてヨーロッパ文化に強くひかれるようになる。大学の国際学部に進み、卒業後はヨーロッパ専門の旅行会社に就職。ところが若林俊男さんは、その会社をわずか一年で辞めてしまう。

「長時間働いても安月給しかもらえないことに納得できなくて、それなら自分が社長になるしかない、と思ったんです。世の中のカフェブームを見て『こんな店なら自分にもできる』と一念発起。今から思えば、なんとも子どもじみた発想ですよね(笑)」。

現実はそんな甘いものではなかったが、男たるもの、何度も自分の道を変更するわけにはいかない。飲食店や厨房機器メーカーを渡り歩き、経験を積む。様々な料理を学ぶ中で、子どもの頃からの偏食を乗り越え、あまり飲めなかったお酒の味わい方も身につけた。ついに生まれ育った横浜で「Mr.Europe」をオープンしたのは2014年のこと。

少年時代からの憧れがそのまま店名になったわけで、その名の通りヨーロッパ各国の郷土料理とお酒を提供している。ヨーロッパへの愛は深化を続けているようだ。

 

【profile】

ヨーロッパの重厚な歴史と優雅な佇まいに憧れ、大学の国際学部で学ぶ。卒業後はヨーロッパ専門の旅行会社を経て、料理の世界へ。様々な業態を通じて各国の料理を学ぶとともに、海外のレシピで研究を重ねる。2014年、ブラッスリーをオープン。現在は一般に理解されやすい名称として「大衆肉バル」を名乗っている。

ビールとワインはヨーロッパ各国で生産されているので、できるだけ珍しいものを揃えるようにしている。ラベルやボトルのデザインにお国柄が感じられ、眺めているだけで楽しい。

お店はみなとみらい線馬車道駅のすぐ近く。目印は、青地に12個の金色の星が配置されたEU旗。

北はロシアから南はトルコあたりまでが、一般に「ヨーロッパ」と呼ばれる。ここにフォーカスした地図は日本ではあまり見かけないので新鮮。

ヨーロッパ各地で親しまれている多彩な肉料理を愛し、研究を重ね、シャルキュトリやコンフィなども手作りして提供している。

 

若林俊男さん インタビュー

どこの国、というより「ヨーロッパ」がお好きなんですね。

そうですね。きっかけはギリシャ神話をモチーフにした漫画でしたが、学校で世界史を学びはじめてから、どんどん興味が広がっていきました。ヨーロッパは地域全体として長く複雑な歴史を持っているので、知るほどに劇的で、深みがあって、本当に面白いと思います。

また、中世の古城や石造りの街並みなどが今も残っていて、そこで人々が普通に暮らしていることにも、すごく魅力を感じます。

では、大学卒業後に就職した会社は希望通りだったのでは?

ヨーロッパ専門の旅行会社に就職したので、まさにその通りです。ただ、時期が悪かった。入社したのは2001年。アメリカで同時多発テロ事件が起きた年です。旅行業界の冷え込みは尋常ではなく、どんなに働いても給料が下がる、という最悪の状況でした。業界全体が厳しい状況だったので仕方がない面もあるのですが、私はそれが納得できなくて。「自分が社長になれば、働いた分だけ給料をもらえる」と思ったんです。今から思えば子どもじみた発想ですが(笑)、せっかく入った会社を1年で辞めて、料理人を目指しました。

いきなり料理の世界へ?

ちょうどカフェブームだったので、お洒落なカフェが次々とオープンするのを見て「これなら自分にもできそうだ」と思ったんです。これも子どもじみた発想ですね(笑)。実際、飲食業の世界はそんなに甘いものではないので、私が「これならできる」と思った程度の店は長続きしていませんでした。

とはいえ、自分で決めた道を何度も変えるのはまずいし、カッコ悪すぎます。すでに20代半ばにさしかかっていたので、料理人を目指すには遅いスタートですが、今度こそやり遂げようと覚悟を決めて取り組みました。

周りの方は反対しなかったんですか?

家族は大反対でした。というのも、私は子どもの頃から偏食が激しくて、魚介類や野菜はほとんど食べられなかったんです。包丁を使えないどころか、レタスとキャベツの違いもわからないくらい(笑)。

それでも迷いはありませんでした。いろんな業態の飲食店や厨房機器メーカーで働き、様々な料理を覚えるにつれて何でも食べられるようになり、今ではほとんど好き嫌いはありません。お酒もあまり飲めない方でしたが、様々なワインやビールなどをテイスティングすることで「うまい」の基準を覚え、料理とのマリアージュも提案できるようになってきました。

2014年、ついにご自分の店をオープンされます。「Mr. Europe」という店名に、若林さんらしさが表れていますね。

横浜生まれの横浜育ちなので、「店を持つなら横浜で」と決めていました。

でも、近隣にはすでに飲食店が星の数ほどあるじゃないですか。そんな中で生き残っていくためには、自分の強みを活かすしかない、つまりヨーロッパへの熱い思いと知識です。「ブラッスリー Mr. Europe」という店名には、ヨーロッパの街角にある大衆食堂のように気軽に食事ができる店にしたい、という思いを込めました。

修行時代から本格的な各国料理を提供する店を食べ歩き、本場のレシピを読み込んで研究を続けています。国によって「スプーン1杯」の量が違ったり、翻訳されたものだと誤訳もあるので、実際に作ってみないとわからないことも多いんです。現地の味がそのまま日本人の口に合うとは限りませんが、そこで日本の調味料を使ってアレンジを加えることはしません。あくまで「ヨーロッパ」の味にこだわり、工夫を重ねています。

現在は「大衆肉バル」を名乗っていますが、ヨーロッパの郷土料理は肉料理が多いので、店の業態をわかりやすく伝えるにはぴったりだと思っています。日本で肉料理というと、焼肉やステーキを思い浮かべる人が多いと思いますが、ヨーロッパには実に多彩な肉の料理法があるんです。その楽しさ、おいしさをもっともっと広めていきたいですね。

大衆肉バル ミスターヨーロッパ

ヨーロッパの大衆食堂のイメージを大切に、こだわったお料理とワイン・ビールをご提供。
個性豊かな歴史や文化の香る各国料理がたくさんあります。

  • ショップ・スポット名
    大衆肉バル ミスターヨーロッパ
  • 住所
    横浜市中区北仲通り2-30 
  • 電話
    045-228-9128
  • 営業時間
    ランチ:11:30~14:00 L.O. ディナー:17:00~22:00 L.O.
  • クレジットカード
    VISA MASTER
  • 喫煙
    店内喫煙
  • 予約
    可:ディナーのみ
  • サービス料・チャージ
    有(コース除くディナーのみ):¥350/人
  • 平均利用額
    【ランチ】:¥1,000 【ディナー】:¥4,000~¥5,000
  • 総座数
    27席
  • 席種
    カウンター:5席
  • ペット
    不可
  • ドリンク
    ビール・ワイン・カクテル・ウィスキー ノンアルコールビール・ソフトドリンク
  • コース料理
    ランチ:¥3,000(8名様~) ディナー:¥5,000(肉づくしのメニュー・2.5h飲み放題付)
  • 貸切
    可:15名様~
  • URL

マップ

関連記事

  • 卵かけごはんにもおすすめ!にんにく香るまろやかなお醤油

  • 異国情緒 溢れる空間 酵母にこだわるパン屋さん

  • 今や世界で愛される博多とんこつラーメン「IPPUDO」

  • とんかつ専門店ならではの、自慢の揚げ物大集合!