mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

50年前の横浜へ連れていってくれるバーでスロージンフィズ

オンナヒトリ
Bar
で美しい
一杯を

 

横浜のバーへ繰り出し美しい一杯との出会いを綴る、オンナお一人様で行くバー連載♡ 今回は、横浜・曙町で50年以上にわたり店を構え続ける老舗のバーへお邪魔しました。

 

昭和の面影が数多く残る横浜ですが、今回訪れたバーもそのひとつ。知る人ぞ知る、1964年創業のパブ・レストラン「アポロ」です。


みなとみらい方面から、関内大通を関内駅方面へまっすぐ一直線(徒歩では遠いので市営地下鉄などを使うのがベター)。その大通り沿いにありました! 「アポロ」の看板! 一見、女性ひとりでは入ることを躊躇してしまいそうな外観ですが、ここは思い切って扉を開けてみましょう。

 


赤い絨毯が敷かれた階段を上ると、想像よりずっと広々とした店内で、奥行きのあるカウンターに、テーブル席が5つ。そしてカウンターの中には、“チャンさん”の愛称でご常連から愛されるマスターの石原さん。店内に足を踏み入れた瞬間から「うわ〜♡」と声を漏らしてしまったほど、とても素敵な空間です。ボウタイ姿のチャンさんはもちろん、カウンターも、年季が入ったスツールも、照明も、音楽も、すべてが調和していて、昔懐かしい横浜へタイムスリップしたみたい! 特別な場所に入ってきた、そんな空気感に一瞬で包まれてしまいます。

 


さっそく迎えてくれたのが、たかがタオル、されどタオルです!! ふんわりやわらかくて、あたたかくて、とってもいい匂いなんです♡ それをチャンさんに伝えると「タオルは毎日欠かさず自分で洗い、釜を使い熱消毒もしています。お客様が使いやすいように大判サイズにしているのもこだわりなんです」と。やはり! その手間がしっかりと伝わってきます。お酒飲む前から感激! いい店に間違いない!!

 

50年以上、この場所でお店を続けられていることへの敬意を払い、最初の一杯はチャンさんおすすめの「スロージンフィズ」を作っていただきました。


甘さの中にほのかな苦味がきいた、暑い季節にぴったりのさっぱり系カクテルです。

 

カウンターに座り、スロージンフィズを飲みながら改めて店内を見渡してみると…。チャンさんご自身で選び抜いたというおしゃれな照明、初めて入った緊張を和らげてくれるギンガムチェックのテーブルクロス、整えられたカウンター、きれいに磨かれたグラスの数々。そして馴染みのお客様のボトルキープの多さ(なんと400本以上あるそう! )にもびっくり。


お預かりのボトルも常に磨いているとのことで、「磨いていると“以心伝心”というものなのか、そのお客様がふらりといらっしゃったりするんです」と。先日も14年ぶりに来店されたお客様にキープされていたボトルをお出ししたら、うれし涙を流されていたそうです。14年前のボトルを置いておいてくれるなんて…お客様のことを大切に思うチャンさんのお話をお聞きして、多くの人がここに癒しの時間を求めて訪れている理由がわかりました。

 


ちなみにこちらのお店は45年以上改装していないそう。そんなレトロな雰囲気が残るバーには滅多に出会えないので、私もゆっくりペースですが通ってみたいなぁ。呑んべえ人生で初めて「自分のボトルを入れたい!」と思ったお店です。

 

バーテンダー歴60年のチャンさんにぜひお聞きしたい! と思い、この連載のテーマでもある“いい女のバーの使い方”を教えてほしいとお願いすると…


「アドバイスなんてないですよ。今は女性のお客様も増えました。お一人でいらっしゃって、お酒をおいしそうに召し上がって、女性のお客様の方から隣のお客様に話しかけて会話を楽しんで帰られる…今は女性の方が元気ですからね!(笑)」と。確かにチャンさんとお話していると自分の問いかけた質問が野暮に思えて、そんなこと気にせず、自分が心地よく過ごせればいいじゃん! という気持ちになってくるのでした。。。

 

さてさて、「アポロ」ではフードメニューも人気ということで、今回は思い切って「小エビのガーリックオイル焼」と「アンチョビピザ」をオーダー!


カウンターの脇に設けられた扉の向こうが厨房になっていて、シェフの料理が作りたてでいただけるんです。どちらもアツアツでおいしかった〜♡

 


2杯目のお酒「KAMIKAZE(神風)」をいただきながら、知ってるようで知らないバーテンダーという職業の“おきて”についてもお聞きしました。「カウンターの中に立ったら、喫煙はもちろん、余計に口を動かしちゃいけない。お客様一人ひとりに心から楽しんでいただけるよう、常に目を配っておくことが重要ですからね。それからバーテンダーがよそのお店に行った際は、カクテルをオーダーしちゃいけないという暗黙の了解もあるんですよ」。その理由をお聞きすると「“試し飲み”になってしまうでしょう?この人はどんな風に作るか?どんな組み合わせをしているか?という目で見てしまう…それはたいへん失礼なことですからね。ちゃんと理解しているバーテンダーはカクテルをオーダーすることはないでしょう」。

 

では「客としてこんなバーの使い方はやめた方がいい」という点は?と投げかけると…ほかのお客様に迷惑になるような大きな声でベラベラと喋らない、カクテルを作っている最中にバーテンダーに話しかけないの2点。ああああぁ〜今の私やらかしてしまっているぅぅう〜!!! 次から次へと質問攻めでベラベラ状態だし、「スロージンフィズ」も「カミカゼ」も作っていただいている途中で話しかけちゃってたし、、、たいへん失礼いたしました! でも、こうやって教えていただくことで学べるんです。今後美しい飲み方ができるよう気をつけます!!!(チャンさんには、今日はいいんですよ取材だからね、とやさしいお言葉をいただきました…とほほ)


ということで、こちらが作っていただいた「カミカゼ」です♡ 名前は映画などにも登場する有名カクテルなので知っていましたが、いただくのは初めて。強めのお酒ですが、こちらもさっぱりとした飲み口で好みのお味でした。

 

さてここで、店内で気になるモノを2つ見つけたのでご紹介します。まずはこちら!

カウンターの脇の壁に貼ってある2枚のポスター。刑事ドラマの金字塔「太陽にほえろ」に警察官役でも出演していた女優・長谷直美さんのポスターです。かつて、お客様のひとりだった警察官の方が「これを貼っておけば魔除けになるよ」とチャンさんにプレゼントしてくれたそう。確かにその効果あってか(!?)このお店は長年続いてますものね。

 

そして、もうひとつはカウンター席の後方にあります。今では見ることが少なくなったジュークボックスです。


少し前に動かなくなってしまったそうなのですが、たまたま来ていたお客様の紹介で横浜にジュークボックスの修理ができる人がいるということで繋いでいただき、無事に復活したということでした。「このジュークボックスは女房よりも長い付き合い。今回、真空管も変えて、いい音になったんですよ」とうれしそうに語るチャンさん。サンタナやナット・キング・コール、カーペンターズなど、入っている曲も粋でおしゃれ♪ 音楽のセンスも最高なんです。

 

今年80歳になられた(全く見えないですよね! 凛としていらっしゃる! )チャンさんの夢は?「1964年の東京オリンピックが開催された年にこの店をオープンしたので、2020年の東京オリンピックまでは元気で続けたい」と。丁寧に作られるお酒もおいしいですし、お話しも楽しい。そして何よりお客様を迎えてくれるチャンさんの笑顔がキラキラしているので、お身体に気をつけながらもっともっと続けていただけるはずです。続けてくださいね。素敵な時間をありがとうございました!&ご馳走様でした!!

 

おまけで“バーテンダーこぼれ話”をひとつ。

バーテンダーの身なりはシャツにタイ、ベスト、ジャケットなどきっちりとしたスタイルですよね。シャツの袖をまくる際は、このように内側にまくるのが“横浜スタイル”なんだそう。外側にまくるのはお客様に対して失礼ということから生まれた習慣なんですって!

パブ・レストラン アポロ

横浜・曙町にある1964年創業の老舗バー。カクテルやウイスキーといった酒類のほかに、ピザやパスタ、肉料理、サンドイッチなどフードメニューも充実しています。店内には昔懐かしいジュークボックスも! 45年以上改装していないという“昭和モダン”な内装にも注目。昔懐かしい横浜へ一瞬でタイムスリップできる空間です。

  • ショップ・スポット名
    パブ・レストラン アポロ
  • 住所
    横浜市中区曙町4-45
  • 電話
    045-261-2576
  • 営業時間
    19:00〜翌3:00 (定休日:火曜日)
  • 駐車場
  • 喫煙
  • 予約
  • 平均利用額
    ¥2,000〜¥2,999
  • 個室
  • 総座数
    30席(カウンター10席、テーブル5台20席)
  • 席種
    カウンター席、テーブル席
  • ペット
    不可
  • テイクアウト/お弁当
  • ドリンク
    カクテル、ウイスキー、ビール、ワイン、ソフトドリンクほか
  • 貸切
    可(要相談)

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