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横浜市中区 チュリエ オーダーメイドネックレス

身につける女性を美しく輝かせるオーダーメイドのネックレスを手がけるチュリエのkoyukiさんにお話を伺いました。

手編みのチェーンに息づく
オートクチュールの思想

一人一人の骨格や体型に合わせ、ぴったり合ったネックレスをオーダーメイドできる──。そんなプライベートサロンが横浜・元町近くにある「チュリエ」だ。オーナーであり、すべての作品を手作りするkoyukiさんは、ニューヨークでオートクチュールの技術を修業。手がけるクロッシェチェーンは、14Kや純銀の細いワイヤーをかぎ針で編んでいくもので、長さや太さを自在に変えられる。
「ネックレスって実は体型に左右されるアクセサリーなんです。私は身長が150cmしかなく、なかなか合うものがないのですが、ある時、自分に合わせて作ってみたら「背が高くみえる!」という発見があって。長さをほんの数センチ変えるだけで、スタイルが変わってみえるんです」。
そう語るkoyukiさんの夢は、オートクチュールの技術を活かして女性をキレイにすること。「ご自分に似合うものに気づくお手伝いができたらいいですね。私自身、お客様と一緒に年齢を重ねながら、素敵なものを提供していきたいと思っています」。

koyuki(こゆき)
大学で服飾デザインや縫製について学ぶ。その後、アパレルメーカーの営業やSEなどを経て、改めて服飾の道へ。オートクチュールの技術を学ぶため、ニューヨークへ留学。帰国後、2006年、オーダーメイドサロン「チュリエ」をオープン。

詳しくはこちら! チュリエ

まずは「チュリエ」を立ち上げる前のご経歴からお伺いします。
大学時代は何を勉強されていらっしゃったんですか?

家政学部で、被服や服飾美術を勉強していました。縫う方とデザインする方、両方です。その後の就職では、アパレルで営業職に就きました。

入社していかがでしたか?
最初は、技術を活かした企画職での就職を考えましたが、専門学校卒の学生の採用の方が有利だったので、営業職を選びました。人と接することが好きなので向いているなと思いました。ただ、長くは続けられない職種とも思いましたね。担当が百貨店だったこともあり、時間外労働が多かったので。仕事に関しては、何かしら一生続けたいなと思っていて、これは何か手に職をつけないといけないと。それで、その会社は売り上げがトップになったら辞めると決めて、目標を達成したところでスパッと辞めました。
それがちょうどWindowsが出始めた時期だったので、これからはパソコンの時代だと思い、転職してSEの卵の卵になりました。

転職して生活は変わりましたか?
自分の時間が増えました。アパレルの時は残業がほとんど毎日で、自分の趣味をやる時間がなかったんですが、SEは毎日6時に終わる仕事だったので、高校時代にやっていたダンスを始めました。そのダンスカンパニーでは衣装づくりも手伝っていたのですが、メンバーの中にオペラ歌手の方がいて、個人的に「リサイタルのガウンを作ってくれないか」と頼まれまして。私は楽屋で着るガウンだと思い、「それぐらいだったらいいですよ」と二つ返事でお引き受けしたら、ステージ衣装のガウンだったんです(笑)。

あれっ!?という(笑)
そうなんですよ。衣装なんて作ったこともないですし、お断りしたんですが、一言「あなたならできると思って頼んだのよ」と言ってくださり、その言葉がきっかけになって、デザインから制作まで全て任せていただきました。私も公演を見に行きましたが、第二幕の一曲目、彼女がそのガウンを着て舞台に登場した瞬間、客席から「おおおおー!」という歓声があがりまして。それを聞いた時に鳥肌がたち、「こういう仕事があるんだ」と気が付きました。それと同じ頃「オートクチュールの技術が衰退している」という記事をある雑誌で目にし、留学してオートクチュールを勉強しようと決めて、3ヶ月後に渡米しました。

最初のガウンを作ってから3ヶ月後ですか!? すごい即断即決ですね!
それまでずっと自分探しをしていたので、「これかも!」と思ったので。

ガウン作りはやってみて、どうでしたか?
楽しかったですね。意外とできるものだなと。そこで変な自信がついたのかもしれません(笑) 。

留学先を決める時は、どこの学校にしようかとか語学は大丈夫かとか、いろいろ悩む点もあると思うのですが。
本当はフランスに行きたかったのですが、希望していた学校がフランス語ができないとダメだったんです。それで、英語なら単語から意味も推し量れるだろうと。調べたら、ニューヨークにフランス式のオートクチュールの技術を教える学校があったんですよ。

もうこれしかない!みたいな。
そうです(笑)。

実際に行ってみていかがでしたか?
とにかく必死でした。学んで学んで学んで、とにかく技術を学んで。かなり厳しい学校で、2年間通いましたが、ワンクールで2回欠席したら退学なんですよ 。課題も多く、一週間にスカート8着やブラウス8着などの量が出されました。

えっ!一日1着以上作るんですか?
そうです。New Yorkに住んでいるのにどこにいるのかわからないぐらい家にこもって制作していました。

その学校で勉強されたのはジュエリーではなく、オートクチュールのお洋服ですか?
そうです、体のサイズにきちんと合わせ立体裁断で行うドレス制作です。

当時はあくまでドレスメインで、アクセサリーは副次的なもので。
そうです。ネックレスや指輪など独学でいろいろと作りました。
卒業後はNew Yorkにとどまりウエディングドレスを作る会社に入って、パターンと縫製を担当していました。帰国後はフリーランスで舞台衣装を制作していましたが、体を壊してしまいまして。この働き方はダメだと思い、「オートクチュールの技術を生かしながら何かできないかな」と思い始めました。
一方、留学後間もなく9.11のテロに遭遇しました。テロの後は、自分自身への甘えがなくなり、「自分にできることは何だろう」と真剣に考えるようになりました。

New Yorkから帰国。クロッシェチェーンとの出会い

ブランドを立ち上げたきっかけを教えてください。
オートクチュールのドレスは、仮縫いを繰り返し、何度もお客様とお話をしながら作っていきますが、日本では、そのような体験をする場が少ないですよね。ドレスを誂えても着ていく機会が少ないですし。でも、その誂える過程がとても楽しいので、ひとりでも多くの方にその体験を味わっていただきたいと思っていました。やはり、体形に合わせて作るオーダーメイドのオートクチュールドレスは、「身に着けた方だけが知る極上の心地よさ」があるからです。それで、ごく限られた方が注文できるドレスではなく、アクセサリーはどうかなど考え、オーダーメイドのジュエリーを始めました。

「自分に似合うもの」の提案をアクセサリーでしていこうと。
はい。「ドレスでなく別の望ましいものを」と模索していた時、「クロッシェチェーン」に出会い、ジュエリーで行こうと思いました。

「クロッシェチェーン」とは、どんなチェーンですか?
糸のように柔らかいワイヤーをかぎ針で編み上げたチェーンのことです。素材としては、純銀(SV999)とゴールドフィルド(K14)があります。手編みのチェーンのため、長さを自由に調整できるだけでなく、かぎ針のサイズを変えればチェーンの太さも変えることができるんですよ。それでオートクチュール感のある素材だと思い、この素材をメインにジュエリーを制作することに決めました。
また、ワイヤーを編み上げることによって生まれる張りのあるチェーンは、身に着けた際、女性らしい曲線を描き、またチェーン自体に輝きがあるので華やかな印象を作り出すことができます。

これはkoyukiさんオリジナルで考えられたんですか?
ワイヤーを使ったアクセサリーはヨーロッパにもあります。ただ、アート的というか、ミュージアムショップで売られているような装飾的なネックスレスが多いですね。それも素敵ですが普段づかいにはむかないので、チェーンのみをワイヤーで編んでみたらどうだろうと思い試作したのが最初です。

ジュエリーの中でもネックレスにこだわる理由はなんでしょうか?
ネックレスにはサイズがない、ということが常識になっていますが、実はお一人ひとりにベストなサイズがあります。例えば、ロングネックレスの場合、サイズの合わないものを選んでしまうと、お洋服が素敵でも体形を太く見せてしまったり……。
私自身が小さく身長が150cmしかないので、ネックレスを選ぶ時にチェーンが長過ぎたり、モチーフが大きすぎたりして、なかなか合うものがみつかりませんでした。そこで自分に合うバランスでネックレスを作ってみたら、「あれ、バランスがいいと背が高く見えるじゃない!」という発見があって。これは他の皆さんにもご体験いただきたいなと思ったんです。

ネックレスの長さって、確かに微妙ですよね
そう感じていらっしゃる方が結構多いですよね。そこを私は改善したいなと思いまして。

特に30代、40代になると体型の個人差が大きくなってきますし。ふくよかな方、華奢な方それぞれ悩みがありますよね。
例えば、胸が大きい方がロングネックレスを着ける場合、最適な長さを知らずに市販のものをつけると「ああ、このネックレスは似合わないわ」と諦めてしまう。でも、ほんの数センチ長さを調節するだけで、お似合いになるネックレスになることもあるんです。

適正サイズは、どのように確認するのですか?
アトリエでのカウンセリングの際、サンプルネックレスをご試着いただき、姿見で全身をみながらバランスを確認していきます。この確認は、姿見を用いることがポイントです。よくジュエリー売り場にあるような卓上鏡では、ネックレスだけに注目してしまい、サイズが適正かどうかはうまく確認できないので姿見を使います。
姿見の前でネックレスの長さを上下させ、見え方の違いを確認するといったことを繰り返していると、お客様に適正な長さを判断できるようになります。

とても丁寧なカウンセリングが必要なんですね。
そうですね。先ほども申し上げましたが、ネックレスにサイズないと思われている方が多いので、最適な長さをご存じない方がほとんどです。適正サイズをご確認いただくためにも対面カウンセリングが必要と考えております。
また、カウンセリングの際、ネックレスをご利用になるシチュエーションなども伺います。例えば、「ロングネックレスに興味があるのですが、デスクワークが多いので諦めています。」という方には、お仕事ではショートネックレス、お仕事後はロングネックレスとして使えるような2WAYタイプのものをご提案しています。

お客様から寄せられる悩みで多いものはありますか?
お悩みとしては、「どのようなネックレスが今の自分に似合うか分からない」や「市販のネックレスでは満足できない」というご相談いただきます。お客さまの反応としては「ネックレスにサイズがある」ということに驚かれる方が多いですね。
また、適正サイズのネックレスを身に着けることで、全体のコーディネイトがワンランク上がって見えることに感激してくださる方もいらっしゃいます。

koyukiさんお薦めのコーディネイトはありますか?
クロッシェチェーンは、チェーン自体に存在感があるのでフォーマルなイメージを持たれやすいのですが、ここはあえてカジュアルスタイルにコーディネイトしていただくのがおすすめです。
大人になるとカジュアルなコーディネイトをする際、+「きちんと感」を持たせないとだらしない印象になってしまいます。そのような時にクロッシェチェーンのネックレスを身に着けると程よくカジュアルアップした装いを楽しめます。

チェーン以外の素材はどのようなものがありますか?
天然石はじめ、貝や牛の角などの珍しい素材を約250種類そろえてあります。

その中から自由に選んで、オーダーメイドしていくと。
デザインはどのように決めていくのですか?

何もない状態ですとイメージするのが難しいと思いますので、サンプルネックレスをご用意しています。アトリエには、さまざまなデザインのネックレスを常時20種類そろえているので、それらをご試着いただきながら、どのような形がお似合いになるか、どのような素材を用いたいかなどご要望をうかがいながら形にしていきます。
その際、ネックレスをお使いになる場面やなりたいイメージを伺い、お客さんが快適に心地よくネックレスをお使いいたけるようなデザインをご提案し、お客様と一緒に新しいデザインを考えていきます。最初はみなさま色々と迷われてしまうのですが、最後には「これだ!」というデザインを必ず見つけてくださいます。

どのような年齢層・職業のお客さまが多いですか?
年齢層でいえば、20代後半から80代までと幅広い層のお客様がいます。特に多いのは、40代〜50代のお客様ですね。主に経営者などの自立した大人の女性が多く約7割の方がリピーターです。

2006年にブランドを立ち上げて以来、たくさんの女性の胸元を彩ってこられたんですね。
これまでに多くのお客さまとのご縁をいただき、1000本以上のネックレスを制作してきました。お客様と接しながら感じたことは「ご自身の長所を活かされていない方が多い」ことです。どの方も素敵な魅力をお持ちになのにもったいない。チュリエのカウンセリングでは、ネックレスのデザインを決める前に、普段の服装やライフスタイルを伺い、どんなシーンでご使用になるか想像していただきます。その後、お客様のなりたいイメージを伺いながらデザインを決めていきます。
ネックレスは、身に着けていただたい初めて完成するものです。カウンセリングを通して、お客様がご自身のことを振り返り、理想の自分を思い描き、それを形にするお手伝いをさせていただけたらと思っています。

では、最後にこれからの夢というか目標を教えてください。
ファッションやアクセサリーは、若い世代に向けに作られたものが多いです。そのため年齢が上がると似合うものがない……と思ってしまいます。私はお客様と一緒に歳を重ねながら、それぞれの年齢に合うものをご提案し、お客様の魅力を惹き出すお手伝いをさせていただきたいと思っています。そして、日本だけでなく世界中の女性に喜ばれる作品を作り続けていきたいです。

koyukiさんが手がけた作品の数々をたっぷりご覧ください。
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