mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

シャドウボックス アーティスト 佐川かおるさん

「シャドウボックスの魅力は絵画にはない
空気感。光の向きで作品が違って見えます」。

絵画やイラストなどを細かく切り抜き、立体的なアート作品に仕上げるシャドウボックス。
一枚の作品を仕上げるにあたり、4〜8枚程度の元絵をパーツごとに細かく切り分け、シリコンなどで少しずつ厚みを加えながら、貼り重ねていく。
数々の作品を手がけ、アーティストとして活躍する佐川かおるさんが、このシャドウボックスに出会ったのは約20年前のこと。「紙で作られた小さな世界なのですがオモチャではなく、リアルな世界が額の中に詰まっていた。私の心にガンガン響いてくるものがありました。
立体のアートですので、一般的な絵画にはない空気感があります。
制作した作品は病院などに差し上げて、患者さんに安らぎを感じていただければいいなと思っています」。

現在、佐川さんが積極的に取り組んでいるのは、ご自身が撮影した写真を使用してのシャドウボックス制作だ。
「画家の作品は著作権がありますので、より自由に制作するために写真を使えないかと。
写真が好きな方に新たな作品の残し方としてシャドウボックスを広めたいと思っています」。

【profile】
東京都出身、横浜市在住。独学でシャドウボックスの制作を始め、その後、「YUCCA」を主宰する小田有香氏に師事する。
現在は小田氏門下生の作家グループに所属し、精力的に展示会などを開催。
同時に、個人の作家活動もスタートさせ、講師を務めるなど活動の場を広げている。

バレンタインをモチーフにした作品。四季折々のテーマで制作し、プレゼントすることもあるという。

作品制作に欠かせない道具の数々。カッターで元絵を切り抜き、モデラーで細かい凹凸をつけてリアルさを出していく。

作業の細かさは、見ていて息をのむほど。最初にカッターを入れる瞬間は緊張するそう。

 

佐川かおるさん インタビュー

まず、シャドウボックスとはどういうものか教えていただけますでしょうか。
「私はシャドウボックスという言い方をしていますが、3Dアートという言い方をする方もいらっしゃって、一言でいうと平面の絵画やイラストを立体に戻していくアート技法です。制作をする時は、画家がどうしてこう描いたのかを考えながら、全く違うものにするのではなく、忠実に立体に戻していくことに一番配慮しています。そこに自分のオリジナリティーを加えるのがポリシーです」

元絵に使用するカードはシャドウボックス用に作られたものですか?
「そういうものもありますし、自分が好きなカードを何枚か購入して使用することもあります。でも、著作権の問題がありますので、個人的に作って楽しむことはできても販売はできないケースもあるんです。大きな展示会に出す場合などは、必ず著作権について確認しています」

シャドウボックスの作品を拝見するのは初めてなのですが、どういった手順で制作されていくのでしょうか。
「好きな絵を使って制作する時は、作り方説明書が付いていないことが多いので、どうやって立体に変えていくのかずっと絵と眺めっこ(笑)。パッとひらめいた瞬間に切り始めます。元絵を4〜8枚重ねて一つの作品を作るのですが、元絵にどう重ねるか、どこからどう切り始めるか。元絵を無駄にしないで、いかに細かく切り抜くかを、とことん考えます。だから、第一刀を入れる瞬間は手が震える。一番魂が入る瞬間です」

そもそも、佐川さんはどんなきっかけでシャドウボックスの制作を始められたのですか?
「20年ぐらい前、ユザワヤに画材に買いに行ったら、たまたまシャドウボックスの作品が飾られていたんです。とにかく不思議な感じがして、どうやって作っているんだろうと毎日ユザワヤに通って眺めました(笑)。それでキットを買って独学で作り始め、時々友人にプレゼントしたり、病院に寄付したりしていました」

病院にこんな作品が飾ってあったら、パッと華やかになりそうですね。
「私自身、入院した経験があり、その時に『病院って無機質な空間だな』と感じました。それで『外に出たい、窓からの風景を見たい』という患者さんの思いに応えるには3D(立体)の空気感がいいのではないかと思ったんです。平面の絵画よりも、現実の風景に触れられたような感覚がありますし……。動物病院などにも作品を差し上げています」

そういった活動を経て、現在はグループでも制作活動もなさっていますね。
「シャドウボックスを独学で始めて10年ほど経った頃でしょうか、友達に誘われて見に行った展示会で素敵な作品をたくさん見て『本格的に習ってみたい』という気持ちを抑えられなくなったんです。特に気に入ったのはドンナ・モーゼスという画家の絵を使った作品。著作権の関係で、制作の許可を得ている教室に入らないと作れなかったものですから、どうしてもとお願いして小田有香先生の教室『YUCCA』に入れていただきました」

現在は教室の有資格者6人で、作家グループを結成されていると伺いました。
「全国規模のシャドーボックス展(次回は新国立美術館にて)等に出展したり、年に数回作品展を開催したりしています。昨年の秋、表参道のギャラリーで開いたグループ展ではフェアリーをテーマにしたカレンダーを元絵に、各人2作品ずつ制作しました。ミレア掲載作品の「Cottage And Swans」は、湖が描かれていますが、水の表現はシャドウボックスでは難しいとされています。とことん自分なりの表現を追求して元絵の重ね方や仕上げのニスのかけ方などを工夫しました」

実際に作品を拝見すると、光の入り方によって見え方が全く変わりますね!
「そうなんです。同じ元絵でも、光の入り方によって見え方がガラッと変わるのは平面の絵にはない魅力です。たまたま当たった光の向きによって、光と影が浮き出てくる。光が水(を表現した部分)に反射すると、すごくキラキラ感の出る瞬間があるんです。作っている最中も、太陽の光が一条入っただけでフワッと立体的になり、感動することがあります。シャドウボックスは技法による必然の美と偶然の美を追求するアートなんです。」

最近は講師としての活動も始められたと伺いましたが、今後の目標や夢をお聞かせいただけますでしょうか。
「講師の活動は、シャドウボックスをたくさんの方に知っていただきたいという思いから始めました。また、作家さんから絵を借りて制作するスタイルだと、どうしても版権・著作権の問題が付いて回り、100%自分のオリジナル作品だと認められにくい面があります。それで、私は以前から写真を撮るのが好きだったこともあり、現在は写真をシャドウボックスにするという試みにもチャレンジしています。
また、昨年秋から『自由が丘写真教室』さんでクラフトの講座をやらせていただいているのですが、こちらには写真を撮ることが大好きな方がたくさん通われていらっしゃいますので、『撮った写真を立体(3D)にする』という技法を伝えていけたらいいなと思っています」

Atelier Heartsease

マシュマロフォンダンデコレーション、ボタニカルキャンドル、アロマストーンなど「暮らしを楽しむモノつくり」をお手伝いしています。
シャドウボックス制作においては、オリジナリディを大切に、常に新しいものを発表できるように心がけております。
Atelier Heartseaseでは、「楽しい」「可愛い」をご一緒に。

  • ショップ・スポット名
    Atelier Heartsease
  • 住所
    横浜市青葉区若葉台17-10
  • 電話
    045-962-4940
  • クレジットカード
    不可
  • 予約

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