mirea 街を彩る ヒト・モノ・コトをつなぐ[ミレア]

アート
2018.09.14

モネ&ドビュッシー 美術館で出逢う印象派コラボレーション

行って、みて、感じるアートの世界
File.5
 横浜美術館で音楽会〜モネとドビュッシー
二人の印象派に出逢う〜
(井上みゆき/コピーライター)

横浜美術館で開催中の「モネ それからの100年」。会期も終盤に差し掛かったとある金曜日、閉館後の美術館でピアノとパントマイムによる素敵なパフォーマンスが行われた。(c)Akira

今年開館20周年を迎えた横浜みなとみらいホールと横浜美術館の共催で、出演は三舩優子(ピアノ)とフィリップ・エマール(パフォーマンス)。同日マチネに横浜みなとみらいホールで行われた「ピアノ・サロン・コンサート《ノスタルジー巴里》」は、100年前の“パリのキャバレー”をテーマにしたおしゃれなステージだったので、夜のスペシャルステージにはさらなる期待がかかる。

「モネ それからの100年」展との連携で企画された夜の部は「モネとドビュッシー 二人の印象派に出逢う」というサブタイトルからもわかるように、ググッと印象派に寄ったプログラムが用意された。
夕闇に包まれた美術館は、昼間の佇まいとはちょっと違うしっとりとした雰囲気が漂い、これもまた魅力的。

会期中エントランス前に設置された睡蓮の鉢も、夕暮れの涼しさの中でみずみずしさを取り戻している感じでホッとする。観覧を終えて美術館を後にする人々の姿を横目にみながら、今夜のスペシャルステージの受付へと急ぐ。

コンサートに先立って、まずはレクチャールームで主任学芸員・松永真太郎氏のミニ・レクチャーを聴講。
今回の展覧会の特徴は、モネの絵画25点と、後世代の26作家による66点を一堂に展覧したことにあり、中には「直接的にモネに影響を受けているわけではない」という作家の作品も並んでいるそう。これは、作家の意図とは関係なく、客観的にみてモネと通底するものが感じられる作品まで集めることで、モネの革新性・普遍性がより浮かび上がるのではないか、という意図からだという。美術館の学芸員の視点って、なんだか興味深い。美術館の開館時間にもう一度訪れて、現代作家の作品中にある「モネっぽさ」を探してみなくては!
レクチャーが終了し、会場の準備が整ったところで、グランドギャラリーへ移動。

自然光が溢れる昼の時間とは趣が異なり、青を基調としたライトに照らされた夜のギャラリーは、水の中のように神秘的な雰囲気。
三舩さんは青いドレス、エマールさんは光をイメージした白いオーバーオール姿で登場。ドビュッシーを中心に、ピアノとパントマイムでフランスらしいエスプリの効いたパフォーマンスが繰り広げられた。
ドビュッシーに合わせてモネを演じたり、シューマンの『トロイメライ』にのせて『僕はモネ』を朗読したり、さらに自作の詩を披露したり。美しいメロディーとともに、エマールさんの多彩さに魅せられる。
ドビュッシー自身は「印象派」と呼ばれることを嫌っていたそうだが、浮遊感のある音楽がモネの絵画と相性がいいことは間違いないと思った。

約1時間のステージはあっという間に終了。
アンコールはエディット・ピアフ『L’hymne a l’amour(愛の讃歌)』。三舩さんのピアノとエマールさんの歌を聴いていると、パリの街角にいるような錯覚に捉われそう。モネの作品でいうなら『キャプシーヌ大通り』など初期の作品か。
ここでもまた「もう1つのモネ」を見つけた気分。

《モネ それからの100年》
会期:2018年9月24日(月・振休)まで
会場:横浜美術館
休館日:木曜日
開館時間:10:00〜18:00 *9月14日(金)、15(土)、21日(金)、22日(土)は20:30まで
(入館は閉館の30分前まで)

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