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珠玉のスイーツがきらめく♪「SWEETS garden YUJI AJIKI」

優秀な技術者を育て、
おいしいお菓子を届けたい。

美しく、一口食べれば笑顔がこぼれるスイーツが並ぶ「sweets garden YUJI AJIKI」。TVや雑誌にもたびたび登場する安食雄二シェフがこのお店を開いたのは2010年のこと。「自分の生活圏で商売をしたい」という思いから、長く暮らす港北エリアでのオープンを決めていたという。
お菓子づくりは子どもの頃から好きだったそうだが、製菓職人の道を選んだのは調理師学校に入ってからだった。「初めての実習でシュークリームを作ったんですが、焼きたてのシュー皮、砂糖とバターと小麦粉の香ばしさ、カスタードクリームの甘い香りが強烈で。こんなにおいしいものがあるのかと思いました」。
卒業後は数々の有名店で経験を積み、現在は経営者としての一面も持つが、もっとも大切にしているのは「人を育てること」だという。「能力の高い技術者やチームを作れなかったら、自分が思い描くいいお菓子がお店に並ばなくなります。僕は『おいしいお菓子を作ることは人を作ること』だと思っています」。

安食雄二シェフ

店内にはマドレーヌやフィナンシェなどの焼き菓子もたくさん。保存料や香料などを使わない優しい味わいが人気を呼んでいる。

色とりどりのケーキが並ぶ店舗は、横浜市営地下鉄グリーンライン「北山田」駅のすぐ近く。取材が行われた日曜も客足が絶えなかった

人気のアジキロールは厳選された素材のみ使い、スポンジは毎朝、石釜で焼き上げる。1本6〜8名分で、手土産にもぴったりだ。

《安食雄二シェフ インタビュー》
まず、安食シェフのプロフィール的なところから伺っていきたいのですが。
「sweets garden YUJI AJIKIをオープンする前は、たまプラーザのデフェールというお店を店名からすべてプロデュースし、7年間パティシエとして働いていました。2001年のことで、それが自分にとってシェフとしてのデビューでした。その前は自由が丘の『モンサンクレール』などいろいろなお店で仕事をしていました。『モンサンクレール』の辻口博啓シェフは僕の一つ上で、初めて入ったお店の先輩だったんです。(モンサンクレールに携わったのは)まだ店名も場所も決まってない段階から企画があって、自分はスーシェフという立場でした」

スーシェフというのはどういうお仕事をなさるのですか?
「セカンドシェフというのでしょうか、一般的には厨房を取り仕切る役割ですね。シェフというと店の運営から商品開発、営業すべてをやるものなんですが、スーシェフは厨房の責任者という立場です。
その後、『店を一軒オープンさせて欲しい』というお話をいただいて、デフェールを立ち上げました。言ってみれば雇われシェフということですね。7年間やらせてもらって独立を考えまして、1年半ほど準備のために休業しました。
自分のお店をどこでやろうかと考えた時に、自分の生活圏(横浜市港北区)でやりたいなと。生活する場と遊びに行く場って違うと思うんですが、僕は生活している街の中で、そこに住む人たちと価値観を共有して、商売がやれたらいいなと思いました。そうしましたら、たまたま今お店をやっている物件が新築で見つかって、自分が理想としていた厨房の窓から緑が見えるという環境だったんです。窓から春の桜並木が見えて、季節が感じられるんです」

どこでお店を開くか、にもこだわりがおありだったんですね。安食さんからご覧になって、このエリアはどういったお客さまが多い印象ですか?
「若いファミリー層が多いんですが、食に関してもいろいろなこだわりを持っていて、感度の高い方が多いです。そういった方にきちんと応えられる洋菓子店として、高品質なものを提供していかないといけないと思っています」

子どもにも大人にも喜ばれるお菓子をということでしょうか。
「自分はプロとして業界の第一線で、コンクールなども含めて戦ってきた人間ですが、同時に3人の子を持つ親でもあります。そうしますと、子ども向けのお菓子を作ろうとしているわけではないのですが、自然とそういったものが出てしまうんですね。『子どもに喜んでもらえるお菓子を作ろう』と変わったわけではないですが、無意識のうちに自分の味覚が変化してきた部分はあるかもしれません。言ってみれば、日常の食事も子どもと同じものを食べているわけですしね」

確かに日々の食生活の中で、気付かないうちに変化している部分はあるのかもしれないですね。
「3人の子どもがいるので、子どもが食べておいしいと思うものを作りたいと頭が働いている部分はあるかもしれません。ただ、それも自分自身の表現になるわけです。味はあくまで自分自身の味覚で判断するんですが、感情的な部分も入るかもしれないですし、その判断は複合的なものですよね。だから、知らず知らずのうちに変わっているかもしれません。そこがまた面白いですよね。年を重ねるごとに変わってくるのかもしれません」

お店オープンへ
今、一番楽しいのは「人を育てること」

お菓子づくりは、やはり小さい頃からお好きだったのでしょうか?
「好きでした。今もあるのかな、ハウスの『プリンミックス』とか『シャービック』とかありましたでしょ。チーズケーキが簡単にできる『クールン』とか」

ありました!ありました!粉末を溶かして、冷蔵庫で固めるとスイーツができるんですよね。
「我が家の茶だんすに必ず入っていたので、小学校3年生ごろからよく作っていました。牛乳1カップに全卵2個、そこにその粉末を入れて、鍋であっためてカップに流して固めるだけで簡単にできますもんね」

スイーツというと自分で作るものだったんですね。
「自分は埼玉の田舎で育ったせいかもしれませんが、昔ってそんなにケーキ屋さんがなかったですよね。選択肢も、モンブラン、ショートケーキ、チョコレートレーキ、チーズケーキ、シュークリーム、プリン……ぐらいしかなかったですし。そのせいもあってか自分で作っていましたし、作るのがすごく好きでした。ホットケーキミックスを使ってドーナツを作ったりね。台所のテーブルを粉だらけにして作っていました。自分にとっては楽しい遊びだったんですよね」

オリジナルで味を変えてみたり?
「やっていましたね。小学生のころからやっていました。作り方に牛乳1カップに全卵2個と書いてあったら、全卵1個と卵黄2個に変えたり。その方がおいしくなると思って」

そういう味の感覚って子どものころから鋭かったと思いますか?
「味覚というか嗅覚は鋭かったですね。友達の体操着を並べて、どれが誰のものか当てることができました。もちろん、変な意味ではないですよ(笑)」

そうだったんですか!
「嗅覚は味覚の一部ですし、料理には大切です。ただ、幼いころからすごく良いものを食べていたわけではないですし、親も食い道楽というわけではなかったので、ごくごく普通の家庭だったと思います。お菓子づくりが好きなのは中学・高校に入っても変わらなくて、自然と調理の専門学校へ進みました」

調理師の専門学校では、お菓子以外のことも勉強されるんですよね?
「和・洋・中・製菓すべて学びました。入学して最初の実習で、洋食はニンジンとジャガイモのシャトー剥き、和食は大根の桂剥き、中華はキュウリのそぎ切りをやりました。でも、製菓の最初の授業はシュークリームだったんです」

製菓だけ下ごしらえでなく、いきなりハードルが高いですね。
「そのシュークリームを作った時に、『これしかない』と思ったんです。焼きたてのシュー皮、砂糖とバターと小麦粉の香ばしさ、カスタードクリームの甘い香りは強烈でした。こんなにおいしいものがあるのかと思いました。実際にできたものはひどいものだったと思うんですよ(笑)。でも、この世の中にこんなにおいしいものがあるんだと感激しました」

入学当時は、製菓のシェフになろうと決めていたわけではなかったんですか?
「はい、曖昧だった部分もありました。でも、そのシュークリームがきっかけで製菓をやろうと。当時はパティシエという言葉もまだなかったですけれどね」

卒業後は洋菓子店に就職なさって?
「2軒のお店で住み込み修行したのち、横浜ロイヤルパークホテル、モンサンクレールに移りました」

フランスで修行もなさっていますよね。
「モンサンクレールに入る前の一年間ですね。プロのための国立製菓学校で70時間授業を受けて、地方の洋菓子店で研修しました。長い時間フランスで修行していたというわけではないですが、それも自分のスタイルに繋がっていると思います。もしフランスで長いこと修行していたら、『本場のフランス菓子はこうだ!』という表現になっていたかもしれませんが、でも自分はどこまで行っても日本人である自分の味覚を大事にしているんです」

ご自分のお店を持ちたいと考え始めたのはいつ頃からですか?
「デフェールの時もすべてプロデュースしていたので、自己表現という意味では十分な場だったんです。でも、すべての実が熟して『自分のお店を持つ時』が来たのかなと思います。資金的なことはもちろんですが、家族のこと、ついてきてくれる弟子たちのこと……すべて整って「さあ、やりなさい」というタイミングが来たんですね」

経営的なところを含めてすべて自分でやりたいというのは、やはり夢だったのでしょうか。
「夢ではありますが、通過点ですよね。自分のお店を持ってゴールだとは思っていないです」

ではゴールといいますか、次に目指している目標がありましたら教えてください。
「絶対にしないと思っているのは店舗展開ですね。今楽しいなと思うのは、人を育てることです」

シェフの後輩を育てる、ということですか?
「能力の高い技術者、チームを育成するということですね。シェフの仕事が何かというと、おいしいお菓子のレシピやデザインを考案すると思われがちですが、実はその仕事って半分ぐらいなんです。もちろん、それは大きな役割ではあるんですが、それ以上に能力の高い技術を育成するということが、おいしいお菓子をお店に出すということにつながるんですね。よく『あの人は腕はいいんだけど、人を育てられないよね』という言い方をすることがありますが、僕からみると、それは技術がないということ。今もうちの厨房でスタッフたちが一生懸命作っていますが、能力の高い技術者やチームを作れなかったら、自分が思い描くお菓子がお店に並ばないですよね。現在、うちのお店では一日400〜500組のお客さまが来店されて、デコレーションケーキも週末で200台近く作っています。それだけの商品を作るのは自分一人では絶対にできないわけですよね。ですから、うちは厨房スタッフ9人と販売兼製造補助のスタッフが5人いて、15人のスタッフでやっています。彼らの技術力・チームワーク、上に立つリーダーシップを指導していかないと、いいものがお店に並ばなくなる。そう考えると、「人を作ることがお菓子を作ること」になってくるわけです。松下電工の松下幸之助さんも同じような発言をされていますよね。もちろん、その域には達せませんが、自分は「おいしいお菓子を作ることは、人を作ること」だと思っています」

SWEETS garden YUJI AJIKI

安食雄二シェフが手がけるスイーツが購入できるお店「SWEETS garden YUJI AJIKI」。旬のフルーツなどをふんだんに使ったケーキをはじめ、フィナンシェなどの焼き菓子も人気だ。お店は、横浜市営地下鉄グリーンライン「北山田」駅のすぐ近く。

  • ショップ・スポット名
    SWEETS garden YUJI AJIKI
  • 住所
    横浜市都筑区北山田2-1-11 ベニシア 1F
  • 電話
    045-592-9093
  • 営業時間
    10:00〜19:00 日曜営業。水曜定休。臨時休業あり

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